海幸彦
海幸彦インタビュー

■セリ人はどんな仕事をしているんですか?

まず、セリの準備がありますから、朝2時半ごろに来ます。魚がたくさん入ることが分かっている時は、夜中11時頃から来ることもありますね。市場に商品を持ってこられるものが多いんですが、時にはこちらから取りに行くこともあるんです。 準備としては、入荷量の確認、種類の確認、よその市場の価格はどうか、どのくらいの値をつけるか。毎日その内容が変わりますから、やることは多いですね。
魚を把握したら、次は並べ方、見せ方。これ大事なんです。仲買の方たちにわかりやすいように見せる並べ方を工夫します。
買いに来る人たちは市場の買い付け人番号を持っている人たちで、仲卸業者さん、スーパーさんなどです。それぞれ「荷主」といって、1荷主ごとの取引を記録する帳面があるので、その準備もします。これは手書きが原則なので大事なものなんですよ。セリ中は、記帳者がいて、次々に書き込んでいきます。
準備することはいろいろあるんですが、セリに臨む時は準備万端という気持ちでいきたいので、ひとつひとつきちんとやるようにしています。バタバタしたくないし、なんといっても市場は品物を預かっているわけですから、大事に扱わなくては。

■テレビなどで見るセリ中のかけ声というか、誰がいくらで落としたか、素人では全くわからないですね。

その市場によってセリの方法は違います。宮崎の場合は、値段をきちんと言うので、よく見ていたらわかると思います。
それに私たちはみんな顔なじみなんです。セリ中の人の動きも見えるし、毎日のことですから。

■市場のセリ人の心得とは?

ここに並ぶ商品は、ここで最初の値が付くわけです。すべて生産者さんや関係者さんからの預かりもので、それが安全にきちんと消費者まで届くようにと、いつも心がけています。
それから、市場がいつも活気あふれる場であって欲しいということ。活気がある場所にはいいものが集まってくる。活気に乗って、ばんばんいいものを売って行きたいし、それがセリ人の一番のやりがいですね。

FISHING POLITICS