水産試験場
このような中、漁獲されたものをいかに高く売るか、価格の低い魚をいかに付加価値を付けて売るかという部分にも力をいれることが収入増に繋がることから、従来の女性部の活動に加えて、直売所を経営して魚の販売に力を入れる漁協も多くなりました。
こういった直売所では、鮮魚、水産加工品が販売されていますが、消費者に興味をもってもらう商品づくりも求められています。
以上の問題点、ニーズを踏まえて、加工センターの建物の改修と、新たな機器の導入を行いました。
加工センターの改修は、手洗い、消毒箇所の設置、排水溝、換気扇の整備を行い衛生的な施設にすることで加工センターで試作した商品を試作販売可能な施設に変えました。加工センターに製造業等の許可が認められていないため、今までは新商品を試作しても試験販売ができませんでした。そのため、試作はしたけれど、消費者の反応が見れないまま終わってしまうこともありました。今回、製造許可が取得可能な設備に整備しましたので、それぞれの加工業者が加工センターを製造場所として特別営業許可を申請し、取得することで、一時的に加工センターを工場にすることができ、そこで試作された商品も販売することができます。営業許可の取得方法につきましては、現在、マニュアルを作成中です。
新たな機器もいくつか導入しましたので紹介します。

@小型魚用、中型魚用のフィレマシン2台(写真2)

手作業の負担が軽減されます。また、最近は寿司ネタ用としてフィレにして流通する商品が出回っていますので、特に需要がある機械です。

Aスチームコンベクションオーブン(写真3)

ホットエアー、スチーム、ホットエアーとスチームのコンビ等、様々な加熱調理法に対応できるようにしました。温度管理をしながらのスチームが可能です。


写真2 フィレマシン

B冷却式のらいかい機(写真4)

現有機は石臼のみのもので、すり身の低温管理が難しいため、臼部分を冷却できる機器を整備しました。このことで、かまぼこ等の練り製品の試作が可能です。

C風船ぷりん製造機(写真5)

もとはプリンや羊羹、ゼリーを作る機械ですが、これを利用し、コラーゲンボールやゼラチン商品を試作したいと思っています。


写真3 スチームコンベクションオーブン

写真4 冷却式らいかい機

写真5 風船プリン製造機
これらの機械は、移動可能で、省スペースで利用できるため、規模の小さな加工業者でも導入可能となっています。ぜひ、加工センターで新しい機械を使ってみてください。そして、経営改善のための一助にしていただき、新たな加工品づくりに役立てていただきたいと思っています。
加工センターは、県内水産関係者の皆さんが使える施設です。水産試験場への加工の問い合わせは多くありますが、実際に施設を使って新商品の試作もできます。また、水産試験場では、不定期ですが加工だより等の情報発信を行ったり、試験結果を現場でも利用していただけるよう、講習会等を実施しています。昨年度は、廃棄される魚皮から抽出したゼラチン(マリンコラーゲン)をすり身天ぷらに添加した商品の講習会を開催しました。
今後も計画していますので、ぜひご利用下さい。
オープンラボの使用は事前に水産試験場(0985-65-1511)へご連絡ください。
5月の動き(県関係)
13日 宮崎県藻場干潟等保全地域協議会設立総会(宮崎市)
20日 全国海区漁業調整委員会連合会総会(東京都)
21日 魚礁検討委員会(宮崎市)
28日 全国内水面漁場管理委員会連合会総会等(東京都)
FISHERIES EXPERIMENT