平成20年度 事業運営構想
運営の基本構想
まるところを知らない原油価格の高騰は、投機筋のマネーゲームに翻弄され、回復の兆候すらなく、政府自民党も対応に手をこまねいている。長期低迷から抜け出そうとしている日本経済のみならず、世界経済への悪影響が懸念される中、金余りに沸く産油国からのオイルマネーが再度投機筋に流れ、価格をつり上げる悪循環を露呈している。
 一方、地方税源移譲を柱とした三位一体改革以後、大企業・都市部優先の施策が浮き彫りになり、地方や庶民には景気回復の実感はない。
 このような状況下、漁業者は驚異的な原油急騰に悲鳴を上げ、これまで漁業者自らが取り組んできた省エネ努力や構造改革の努力は水泡に帰し、出漁すればするほど赤字という事態に陥り、漁業という産業の破綻が危惧されている。燃油高騰の深刻化は、廃業者の大量発生のみならず、漁協経営や地域経済の疲弊、ひいては水産物の安定供給が確保できず、国民の食糧問題に直結している。
 製造・サービス・運送業などが燃油高騰分を価格に転嫁する中、魚の価格を自ら決められない漁業者に全てのツケが回ってきており、漁業における流通形態の早期改革が急務である。
 さらに、資源枯渇が危惧され、漁獲量が減少する中で、安定経営、安全な漁場の確保はきわめて重要である。若齢魚まで一網打尽にする国内外の大型まき網船の規制強化が一日も早く実現するよう国・県に対し強く訴えていきたい。
 厳しい情勢を踏まえ、本年3月に新たな水産基本計画が閣議決定され、今後の水産政策の指針として、6つの政策課題と関連施策が打ち出された。特に国際競争力のある経営体の育成・確保と活力ある漁業就業構造の確立では、漁船漁業構造改革の推進と新しい経営安定対策の導入が盛り込まれ、我が国漁業の将来を担う経営体に対する支援施策の集中が図られており、系統あげて事業に参画する必要がある。
 組織再編問題については、平成19年6月に承認された「宮崎県1漁協構想の基本方針」に基づき、県1漁協構想の実現に向けた取組を連合会・漁協一体となって推進して参りたい。
 漁業者は安全・安心な水産物を確保・供給する使命を担っており、本県漁業の存続のため、将来を見据えた新たな対策の構築が喫緊の課題となっている。本会としては、これら山積する課題に積極的に取り組み、事業部門別に推進事項を設定して、事業を推進して参りたい。
経営管理方針

1.管理体制

  1. 職制規程の遵守徹底を図り、内部牽制制度を強化し、適正な事務処理に努める。
  2. 事業所の事業分量に基づき、適正な人員配置に努める。
  3. 事業の円滑化を期するため、諸資格の取得に努める。
  4. 予算統制の強化と執行を厳正にし、経費の節減に努める。
  5. 施設の有効利用に努め、業務効率の向上を図る。

2.財務体制

  1. 会員の協力を得て、内部留保に努め、自己資本の造成と経営基盤の建て直しを図る。
  2. 資金調達・運用の効率化と保有在庫に留意し、財務の健全化を図る。

3.施設

  1. 需要の実態に即した、施設の統廃合等検討する。
  2. 氷需給の円滑化を期するため、各製氷工場の点検・整備を実施する。
  3. 給油施設は、定期的な点検を実施し防災に努め、円滑なる事業推進を図る。
  4. 直販施設をフルに活用し、販売拠点として効率的な運用を図る。
購買事業

買事業は、厳しい漁業環境に直面している漁業及び漁協経営に資するため適期に適正な価格でしかも良質品を安定的に供給し、漁業者の負託に応えてまいりたい。
 従って、漁業生産資材の需要を的確に把握し、宮崎県漁協系統購買事業推進委員会と協調しながら組織を結集して全面系統利用を強力に推進してまいりたい。

重点推進事項

  1. 需要の系統組織への集中化体制の確立
  2. 廉価と良質品の安定供給
  3. 的確な情報収集と提供
  4. 適正在庫による供給体制の円滑化
MANAGEMENT PLAN