平成20年の年頭にあたり、謹んで新春のお慶びを申し上げます。
当漁業信用基金協会は、中小漁業者に対する金融を円滑にするため、その信用補完を行い、もって漁業設備等の高度化を推進することにより、中小漁業の生産性の向上を図ることを目的として昭和28年に設立され、以来54年を経過いたしました。この間の業績につきましては、昨年12月末現在、保証累計額は710億円を超え、漁業者の皆様に対する金融の円滑化に貢献することができたのではないかと感じている次第でございます。これもひとえに地方公共団体並びに関係機関のご指導・ご援助と会員各位の理解あるご協力の賜と深く感謝申し上げます。
さて、漁業をめぐる情勢は、水産資源及び漁業生産量の減少、魚価の低迷、更には燃油価格の異常な高騰等により、かつてない危機的な状況にあり、漁業経営は益々厳しいものとなってきております。このような環境の中で漁業者が経営を継続していくためには金融の果たすべき役割が重要になってきており、保証制度の必要性も高まってきておりますが、全国の基金協会の経営状況は、保証残高の減少及び長引く低金利による運用益の減少等により財務状況は厳しいものとなっております。
このため、このままでは、水産金融において基金協会に期待される役割を十分果たせなくなるという懸念が生じておりますことから、昨年、中小漁業融資保証法の一部改正が行われました。
その主な内容は、基金協会の健全性確保(基金協会についての健全性基準の設定、早期改善措置命令の導入等)、基金協会の事業基盤の強化(繰入金の取崩しのための規程の整備、会員資格の拡大等)、基金協会の再編整備(基金協会の事業譲渡に関する規程の整備)で、このほか現在、政令・省令の改正も手続き中であり、一部資金に対する部分保証の導入、保険料率の改定及び会計規程の改正も含まれており、今年4月1日の実施に向けて中央で作業が進められております。
本会といたしましても、水産庁等より具体的な内容につき通知を受けた後、今年2月を目処に臨時総会を開催し会員の皆様のご理解・ご承認を得たいと考えております。
また、協会組織のあり方については、漁業情勢の変化に対応できる保証基盤の確立と安定化を目的として、中央会に協議会が設置され検討が始められたばかりでございますので、どのような形で収まるにせよ将来の課題として認識をしているという段階でございます。
このような状況のなかで本会の運営にあたりましては、余裕金の効率運用をより積極的に行うことにより財務の改善を図り、県・関係機関と協調し漁業者の皆様が必要とされる事業資金の保証に取り組んで参る所存であります。
年頭にあたりまして、皆様のご健勝と操業の安全、豊漁をお祈り申し上げ新年のご挨拶といたします。 |