年頭のごあいさつ
 対象となる漁業者は、以下の5つの要件を満たす経営体が想定されております。
@経営改善の取組要件(効率的かつ安定的な漁業経営を目指して積極的かつ計画的に経営改善に取り組む経営体)
A所得に関する要件(他産業並の所得を目指しうる所得水準にある経営体で、宮崎県の場合は、個人経営が上限5,905,000円、下限2,561,000円。法人経営は上限が8,226,000円、下限が3,789,000円)
B漁業共済への加入要件(この事業による収入変動への対応に加えて、大きな災害にも対応する漁業共済へ30%〜40%の契約割合で実質加入する経営体)
C主業・年齢要件(主に漁業から収入を得て、将来にわたって継続的に国民に対する水産物の安定供給を担いうる経営体で、年齢が65歳未満)
D資源管理・漁場環境改善の取組要件(単に自己の経営改善に取り組むだけでなく、地域の取り組みにも積極的に参加する経営体)と、なっています。
 当事業を円滑に推進していくとともに、漁業の担い手となる効率的かつ安定的な経営体を育成することを目的として、昨年11月30日に県漁連を中心とする各系統団体と県行政が加わった「宮崎県漁業経営安定対策協議会」が発足いたしました。今後5年間(事業期間としては、実質10年間)にわたって協議会を基盤とした活動が展開されることになりますので、対象となる漁業経営体の皆様には、漁業共済ともども積極的な活用方、お願い致します。
 もっか、全国運動として私どもが進めております「浜を守る!ぎょさい総加入運動」も、本年は最終年度を迎えることになります。
 今後とも、行政庁・漁協系統団体との一層の緊密な連携のもとに、より利用しやすい制度の実現と、さらなる普及拡大に努めてまいる所存であります。新全国運動を契機に、多くの漁業者の方がたが「ぎょさいに加入」してくださることを願っております。
 終わりに、皆様のご健勝と航海の安全・大漁を心からご祈念申し上げます。
宮崎県漁船保険組合 組合長理事 岩切 正次
岩切 正次
様あけましておめでとうございます。
本組合の業務に関しまして過ぎ去りました一年を顧みますと昨年もいろいろなことがありました。
 まず、昨年は当組合にとって設立70周年の記念すべき節目の年でございました。
 即ち、昭和12年6月1日、漁船保険法(法律第23号)が施行されるや直ちに組合設立準備にかかり昭和13年3月23日設立されましたので、昨年度創立70周年を迎えることが出来ました。
 この間、幾多の困難を克服し、漁船保険制度は漁船(船体)、積荷、船主責任(賠償)保険に新たに任意保険(転載積荷、プレジャーボート責任保険等)を加えて漁業者のための総合保険として発展してまいりました。
 しかしながら、現在我が国の漁業を取り巻く環境は厳しく、これを受け漁船保険事業も漁船隻数の減少や付保漁船の高船齢化など難しい状況に置かれています。
 また、平成16年6月4日「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2004」が閣議決定され、その中に盛り込まれた特別会計改革で漁船保険特別会計に対し収支の改善と事故率の改善が指摘されました。
 これを受けまして、昨年4月1日には、全国5組合(秋田、山形、大阪、京都、鳥取)による全国広域漁船保険組合が設立され、今後漁船保険中央会の制度調査委員会に於いて「漁船保険全国一元化問題について」研究に着手することになりました。
 このように、漁船保険制度も70年を経て転換期を迎えていますので、平成19年度に於いては、これらの動向の行方をも注視しつゝ、慎重に業務の運営を図ると共に平成16年度後半に水産庁に於いて設定いたしました全国平均事故率を平成15年度の28パーセント(本県31%)から平成20年度に25パーセントに引き下げるという、成果目標達成のため鋭意努力いたしました。
 この結果、引受実績は2,520隻、275億円と前年度実績に比べ隻数に於いて90隻(3.45%)引受保険金額に於いて8億円(2.83%)減少いたしております。
 これは、昭和62年度以降21年間連続して在籍漁船が減少したことによるものでありますが、付保率につきましては、前年度同様100パーセントを堅持することが出来ました。
 また、船主責任保険の基本損害の引受につきましても、危険率に応じました高額付保につき力を尽くしました結果、その引受実績は2,515隻、6,100億円と前年度実績に比べ隻数に於いて90隻(3.46%)減少しているものの、引受保険金額に於いては、647億円(11.87%)と大巾に増加いたしております。
GREETING