これは、平成18年8月1日から責任制限法の一部が改正され責任制限額が6倍(対物損害が3,000万円から1億8,000万円、対物対人損害が9,000万円から5億4,000万円)に引き上げられたことによるものであります。
一方、漁船保険事故につきましては、組合員及び乗組員、留守家族の皆さん等を対象にした海難防止講習会を県下各漁業協同組合のご協力を得て11会場(約620人)に於いて開催し、事故防止に努めましたが、台風5号(8/2)で流失した流木との接触事故や付保漁船の高船齢化(付保漁船の64%が船齢20年以上)による機関事故等も多く、結果、平成19年度の事故率は30パーセントを超え、水産庁の定めた25パーセントに引き下げするという成果目標は達成できない状況であります。
今後とも、これが成果目標達成のため、漁船の事故防止と人身事故の絶無につき指導してまいりたいと存じますので、皆様方の絶大なるご協力を賜りますようお願い申し上げます。
以上、平成19年度の業務執行の状況につきまして、申し述べいたしましたが、次に新年度に実施いたします主なる事項につきまして簡単にご説明申し上げご協力を賜りたいと存じます。
まず、新年度は3年毎に行います漁船保険料率改正の年になっておりますので、目下、その試算中でありますが、在籍漁船の減少に伴う加入状況の悪化に加え、料率の算定期間(平成8〜17年度までの10年間)中、組合員の皆様が負担された徴収保険料は43億6,400万円、これに対し漁船事故により支払われた保険金は、56億6,000万円と12億9,600万円(29.70%)超過しており、全国最低基準である再保険料率を大きく上廻り大巾な引き上げが避けられない事態となっております。
しかしながら、組合員の皆様方も大変厳しい漁業環境下にありますところから、更に漁船の事故防止に鋭意努め、今回も従来どおり最低であります再保険料率と同率とし組合員負担の軽減に努力する所存でございます。
なお、付加保険料率につきましても組合員負担の軽減の為、前回同様今回も経費の節減に努め引き上げをせず据え置くよう努力致したいと考えておりますので、何卒ご了承賜りますようお願い申し上げます。
その他、船主の皆様方の諸種の負担を軽減するため実施されています船主責任保険、積荷保険及び海外操業漁船損害補償事業等につきましても、その趣旨に副い普通保険と併せ普及に努めると共に前年度同様「稼働動力漁船の全船加入、漁船事故、特に自動操舵使用時の見張りの徹底と操業時の安全対策、乗船中の救命胴衣の着用(平成20年4月1日より一人乗り漁船は救命胴衣の着用が義務化されます)の励行と保険金の早期支払い」を最重点施策といたしまして、業務の推進に努め漁船事故による損害の復旧と船主等の諸種の負担を軽減して漁業経営の安定に資するという本組合の使命達成のため全力を尽くす所存でございますので、何卒皆様方のご協力を賜りますようお願い申し上げます。
年頭にあたりまして、皆様のご健康と操業の安全並びに豊漁をお祈り申し上げご挨拶といたします。 |