年頭のごあいさつ
@国の共済掛金補助率を30%程度上乗せ拡大へ。
 現在の平均補助率45%を75%まで引き上げられます。
 特に、本県にとっては100トン以上のカツオ・マグロ漁業がこれまで補助対象外であったために、実質加入も一部に限られていました。新事業では、50%もの大きな助成がつくことになるので、共済利用がしやすくなることは願ってもないことです。
A積立ぷらすの積立金補助率を拡充へ。
 現行の積立金拠出割合が漁業者1:国1から漁業者1:国3へと大幅に拡充されます。
 この積立金は共済掛金とは性格が異なりますので、拠出した部分は掛け捨てになることはありません。
B積立ぷらすの加入要件を緩和へ
 現行の積立ぷらすでは、5つの加入要件すべてを満たさなければ利用することができませんでしたが、当漁業収入安定対策事業では「経営改善の取組み要件、所得に関する要件、主業・年齢要件の3項目を不要とする緩和策が打ち出されたことで対象となる範囲が広く拡大されることになります。
 申し述べましたように、「漁業収入安定対策事業」は資源管理や漁場改善に向けてしっかり取り組まれる漁業者のために門戸を開いた手厚い仕組みとなっています。
 もっか、新事業内容を皆様に詳細に知らしめるための準備作業に入っておるところでございます。
 近年、全国各地であらゆる災害の発生を見ておりますが、近くでは、今年夏場の有明海・八代海で大規模な赤潮が発生して魚類養殖業に多大な被害が出ました。
 本県でも県北漁場において、ヘテロシグマ・アカシオによる異常赤潮で死魚も確認されました。一時は、拡大も心配されただけに、影響が限定的であったことは何よりでした。被害にあわれた方々には心からお見舞い申し上げます。
 これからも漁業経営にとっては、災害等に対する万一の備えが欠かせません。
 私どもも、行政庁・漁協系統団体との一層の緊密な連携のもとに、一段と利用しやすい制度の改善を実現してまいる所存でございます。
 漁業所得補償制度が導入されることを機に、多くの漁業者の方がたが漁業共済に加入してくださることを願っております。
 終わりに、皆様のご健勝と航海の安全・大漁を心からご祈念申し上げます。
宮崎県漁船保険組合 組合長理事 岩切 正次
岩切 正次
様あけましておめでとうございます。
本組合の業務に関しましては過ぎ去りました1年を顧りみますと昨年もいろいろなことがありました。
 まず、漁業を取り巻く環境は厳しく、漁船保険事業も漁船隻数の減少、漁船の高船齢化など依然として厳しい状況に置かれております。
 このような中にあって、政府は10月27日から18あるすべての特別会計について原則廃止を前提として、勘定区分ごとに事業仕分け第3弾を実施しました。その中で「漁船再保険及び漁業共済保険特別会計」については、「農業共済再保険特別会計等」と統合し、かつ漁船保険の3勘定(普通保険、特殊保険、乗組員給与保険)についても統合せよとの評価が出ました。結果「漁船再保険及び漁業共済保険特別会計」はほぼ現状のまま存続することとなりました。
 また、漁船保険中央会に於いては将来に向け安定した保険事業を継続し、業務の効率化と全国一元化を含めた組織統合に向けた取り組みを強化するための制度問題特別委員会が設置され調査研究に着手しました。
 さらに、水産庁の新規予算で「漁船保険団体再編整備事業」が立ち上げられ前記委員会等が主体となり保険組合等の組織や保険収支、制度の問題、積立金の適正な水準など漁船保険事業及び組織運営の将来のあり方について、保険全般に対する知識を持った専門家、アクチュアリー(保険経理人)も交え検討しています。
 よって、平成22年度に於いては、これ等の行方をも注視しつつ、従来からの方針を踏襲いたしまして、引き続き「稼働動力漁船の全船加入と船主責任保険の危険率に応じた高額付保、漁船事故防止の徹底した対策、特に人身事故の絶無と救命胴衣の着用の励行、並びに保険金の早期支払い」を最重点施策といたしまして業務を推進いたしました。
 次に、事故防止事業として今年度から高船齢化に伴う電気配線等からの漏電による漁船火災事故の未然防止を図る為、3トン以上の漁船について漁船電気設備等整備点検事業を実施する事といたしました。さらに毎年3年間無事故継続加入漁船に対し漁船保険中央会から助成を受けた報償金と、当組合からの無事戻金を併せて262隻、824万円を交付し無事故奨励を進めてまいりました。
GREETING