年頭のごあいさつ
全国漁業協同組合連合会 代表理事会長 服部 郁弘
服部 郁弘
年明けましておめでとうございます。
漁業者の皆様並びにJFグループの皆様に謹んで新年のご挨拶を申しあげます。
 わが国漁業・JFグループを取りまく環境は、国内外の経済・社会情勢がめまぐるしく変化する中、資源の減少、漁業者・漁船の二重の高齢化進行による生産構造の脆弱化や燃油価格の再上昇など今後も厳しい状況が予測されます。
 我々JFグループは、昨年10月に開催した「JF全国代表者集会」において、今後取り組むべき5年間の新運動方針「JFグループ 組織・経営・事業戦略」を採択しました。
 2010年は、運動期間の初年度となりますが、本運動方針の重点取組事項は@組織・事業再編と人づくり、A経営改革に向けた取り組み、B事業改革に向けた取り組み、C協同組織の強み発揮と漁業・漁村への貢献―の4点を掲げ、基本的な考え方に「JFの原点への立ち返り」を置き、JFグループの組織・事業の将来方向を決する新たな方針として不退転の決意で諸改革に取り組むことを決定したものです。
 昨年は、政権交代という歴史的な転換期の中で、政策決定の場においても新しい価値観・手法によるシステムが構築される場面がありました。しかし、国民が我々JFという協同組織に期待するものは、安全・安心な水産物の安定的供給をはじめ、漁村振興や環境・生態系保全への取り組みなどをはじめとした多面的機能の発揮など、JFグループが本来、基本として取り組んできたものです。我々は、この重要な使命を再認識しながら自らの改革に取り組んでいく必要があります。
 しかし、このような役割を果たし食料供給の担い手の育成・確保を図っていくためには、まず安心して漁業を営むことが出来なければなりません。「漁業共済」や「積立ぷらす」の拡充による漁業収入の安定、コストの太宗をしめる燃油・飼料の高騰に対するセーフティネット措置の創設による漁業所得政策の確立などが重要な課題です。
 一方、産地市場の価格形成力を向上させ、漁業者の手取りアップを目指すためには、魚食の推進や地産地消における新たな消費者層の開拓などにJFグループが強力に取り組んでいくとともに漁業者自らの取り組みへの参加も必要だと思います。
 JF全漁連としましては、我々JFグループの改革への取り組みや必要な政策の実現に向けて広く国民への理解を深めていくことが重要であり、このような取り組みのもとで現在水産業が置かれている厳しい状況を踏まえ、漁業者及びJFグループの声を反映した漁業経営の安定につながる仕組みが一刻も早く構築されるよう一層の努力を重ねていく所存です。この一年の操業の安全、皆様方のご繁栄とご健康を祈念申し上げ、新年のご挨拶といたします。
全国漁業共済組合連合会 会長理事 川端 勲
川端 勲
国の漁村の皆様、明けましておめでとうございます。
新春にあたり、皆様の本年のご多幸を心よりご祈念申し上げます。
 昨年は、世界的な金融危機から続く不況がいまだ経済を覆うなか、引き続く水産資源の悪化、魚価の低迷に加え、大規模な赤潮の発生や広範囲にわたる大型クラゲの大量来襲等の異常な自然災害の多発により、わが国の漁業は依然として厳しい環境に直面しております。
 このような状況のもと、漁業経営のセーフティネットとしてその重要性をより一層増している「ぎょさい」の加入推進につきましては、「浜を守る!ぎょさい総加入運動」の最終年度となった平成20年度には関係機関等との強力な連携のもと、共済金額4,084億円とぎょさい事業発足以来の加入の普遍化を図ることができました。また、平成20年度にスタートした「積立ぷらす」は、実施初年度の実績として漁業者申込積立額で21億円の実績を確保し、また、21年度には大幅に実績を伸ばしているところであり、「ぎょさい」加入と併せた漁業経営安定対策として、大変重要な役割を果たしているところです。
 こうした成果を上げることができましたのも、漁業に携わる皆様のご理解と関係各位のご支援ご協力の賜物と重ねて御礼申し上げます。
 昨年5月には、制度発足以来7度目となる漁業災害補償法の改正が行われ、10月1日より新しい「ぎょさい」制度が開始されました。新制度は、掛金負担の少ないてん補方式の追加や新しい養殖種類の追加など、漁業者の幅広いニーズに応えるものになっております。この新しい「ぎょさい」制度を最大限に活用し、普遍的な加入を図っていくため、私ども漁業共済団体は昨年4月に新たな全国運動「ステップ・アップぎょさい」を立ち上げました。本年、運動2年目を迎えるにあたりましては、漁業者の皆様に新「ぎょさい」制度をご理解の上、十分活用頂けますよう、全国で浜回りや説明会などの普及推進活動の充実強化に組織を挙げて取り組んで参ります。
 本年も、「ぎょさい総加入で浜を守る!」のスローガンのもと、「ぎょさい」が将来の漁業と漁村づくりに一層の貢献ができますよう、国、地方公共団体、漁協系統団体などと緊密な連携のもと、漁業者の皆様とともに力強く邁進する所存でございますので、皆様の変わらぬご愛顧と厚いご支援ご協力を賜りますよう心よりお願い申し上げます。
GREETING