年頭のごあいさつ
 さらに、設備資金や運転資金について利息が最大で無利子となる支援を行うとともに、漁業緊急保証対策で無担保・無保証人での保証制度の充実に努めるなど、漁業者への融資や保証の支援を強化します。なお、これまでの経営安定対策をさらに発展させ、本格的な漁業所得補償制度を導入すべく、平成二十二年度は制度の検討に必要なデータの収集・整理等を行うための調査を実施することとしています。
 第三に、産地手取りの向上と水産物の消費拡大のための施策です。直接販売の促進などによる産地の販売力の強化等により漁業者の手取りの向上を図るとともに、産地と消費地をつなぐ多様な流通経路の構築の推進、HACCP導入支援など衛生管理体制の強化等により、新鮮で安全な国産水産物を消費者に届け、水産物の消費拡大を図ります。
 第四として、漁村のための施策です。漁村における生活環境の立ち遅れや漁村集落の人口減少・高齢化に対応して、防災力の強化や生活環境の向上による安全で活力ある漁村づくりを推進するとともに、離島漁業再生の取組を促進します。
 最後に国際交渉についてです。世界的な漁業生産量の増加に伴い、国際的な漁業資源の管理が重要な問題となっており、マグロについては地域漁業管理機関を設立して資源管理を行っています。我が国としては、科学的根拠に基づく資源管理が重要であるとの立場から交渉に臨んでまいります。
 こうした施策の推進により、我が国水産業及び漁村の更なる発展に努めてまいりますので、御理解、御協力を賜りますようお願い申し上げる次第であります。
 最後に、皆様方の御健勝と御活躍を祈念申し上げまして、私の新年のごあいさつとさせていただきます。
宮崎県知事 東国原 英夫
東国原 英夫
んで新年のお慶びを申し上げます。
県民の皆様には、平素より県政に対しまして温かい御支援、御協力を賜り、心から感謝申し上げます。
 私は、知事就任に当たり「新しい宮崎の創造」を掲げ、宮崎の発展と県民の皆様の幸せのために、県政改革、宮崎のPR等に全身全霊を傾けて参りました。加えて、厳しい財政状況の中ではありますが、経済・雇用対策をはじめ中山間地域対策、子育て・医療対策など直面する課題について重点施策として全力で取り組んでいるところです。
 また、新しい「太陽と緑の国」を提唱し、豊かな太陽の恵みや自然環境など本県の資源を活用した太陽光発電の拠点づくりや農業ビジネスへの参入支援、豊かな森林の再生など環境を守り、活かすことに軸足を置いた地域づくりも積極的に進めているところです。
 さらに、本格的な少子高齢・人口減少社会の到来、東アジア経済圏の成長、世界的な課題である低炭素社会への転換、地方分権・地域主権の進展などを踏まえて、20年後の本県の将来像を描き、施策の方向性を示す新たな総合計画の策定にも着手しております。
 さて、本県水産業につきましては、日向灘におけるまき網、船びき網等の漁船漁業や養殖業、長年に渡って日本一の生産量を誇る近海かつお一本釣や、沿岸まぐろはえ縄漁業などを中心に、全国でも有数の生産量を誇っており、地域の重要な産業であるとともに、我が国水産物の安定供給の一翼を担っていると認識しております。
 しかしながら、近年の漁業経営は、燃油や資材などの高騰による経営コストの増加や資源の悪化に伴う漁獲量の減少、景気後退による産地魚価の低迷など、極めて厳しい状況が続いております。

 このため、増殖場の整備や栽培漁業の推進による資源の回復・管理、みやざきブランドの確立、水産業の将来を支える多様な担い手の確保・育成等に取組んでいるところですが、昨今の急激な情勢変化と課題に対応すべく、新たな「宮崎県水産業・漁村振興長期計画」の策定にも着手したところであり、今後とも持続できる水産業・漁村の構築に向けたビジョンを示して参りたいと考えております。
 新しい宮崎づくりはまだまだ途上であります。県民の皆様一人ひとりが積極的に参画し、主体的に挑戦していくことが何よりも大切です。また、こうした取組こそが、激動の時代にあって宮崎の未来を確かなものとする大きな活力になります。
 県におきましても、引き続き、県民の皆様が心から安心できる、満足できる、納得できる行政サービスに努めますとともに、誰もが安全・安心な暮らしを確保できるよう各種施策に取り組んで参りますので、皆様の一層の御理解と御協力をお願い申し上げます。
 結びに、新しい年が、県民の皆様にとりまして希望に満ちた明るい年となりますよう心から祈念申し上げ、年頭のごあいさつといたします。
GREETING