年頭のごあいさつ
宮崎県漁業協同組合連合会 代表理事会長 丸山 英満
丸山 英満
けましておめでとうございます。
皆様には、清々しい新春をお迎えのことと心よりお慶び申し上げます。
 さて、我が国の水産業・漁村は、資源状況の悪化、世界的な水産物需要の増大、高齢化の進展などに加え、世界同時不況による地域の経済や雇用情勢の急激な悪化等で一段と厳しい状況が続いております。
 かかる状況の中で実施されました衆議院総選挙では、政権交代がなされ、民主党政権下で、行政刷新会議の事業仕分け作業が行われました。その結果、漁船漁業構造改革対策基金、水産業燃油高騰緊急対策基金、資源回復等推進支援事業造成基金等の事業仕分け作業が行われ22年度分を除き、基金を国庫へ返納すべきとの評決が出されました。従来から行政と一体となって水産施策を推進してきた経緯もあり、今後、水産予算の確保や国への要望等どのようになるのか注目して参りたいと思います。
 漁協系統では、JF全漁連が去る10月30日「JF全国代表者集会」を開催し、今後5年間の新運動方針「JFグループ組織・経営・事業戦略(22〜26年度)」及び特別決議「組織・経営・事業改革の断行と水産政策の確立に関する特別決議」を採択しました。本県においては、新運動方針の重点取組み事項であります@組織・事業再編と人づくり A経営改革に向けた取組み B事業改革に向けた取組み C協同組織の強み発揮と漁業・漁村への貢献 以上4項目の具体的実践として県版アクションプランを策定しまして推進に努めてまいります。
 組織再編問題については、宮崎県1漁協構築に向け系統あげて推進して参りましたが、当初の合併予定日では時期尚早との結論にいたり、今後は期限を定めず推進協議していくことが組合長・参事合同会議で決議されました。
 このような状況の中で、本会の経済事業取扱高は年々減少傾向にあり、経営は非常に厳しさを増しております。包括承継を含めた県1漁協構想が継続協議とされた中で、本会独自であらためて組織の再構築を図らなければならないと思料致します。その方策として各施設の収支改善を図ってまいります。
 漁業者は、安全・安心な水産物を確保・供給する使命を担っており、本県漁業の存続のためには将来を見据えた新たな対策の構築が喫緊の課題となっております。本会としては、これら山積する課題に積極的に取り組み、事業部門別に推進事項を設定して、事業を推進して参りたいと存じます。
 最後になりましたが、皆様方のご健勝と航海の安全、豊漁をご祈念申し上げまして、新年の挨拶と致します。
宮崎県知事 東国原 英夫
年明けましておめでとうございます。
平成二十二年新春を迎えるに当たり、所感の一端を申し述べ、年頭のごあいさつとさせていただきます。
 我が国の国土面積は世界で六十一位と大きくはありませんが、二百海里水域の面積でみると、世界第六位、その広さは、国土面積の約十二倍にも及びます。また、日本の位置する北太平洋の西部海域は非常に資源に恵まれた海域であり、水産業について非常に高い潜在能力を持っています。それにも関わらず、昨今では、資源状態の低迷、国際的な漁業規制の強化、漁業者の減少・高齢化など厳しい状況にあります。このような状況の変化に対応し、国民の健全な食生活を支える水産物を将来にわたって安定的に供給するとともに、力強い水産業と豊かで活力ある漁村を確立することを目指し、積極的な政策改革を進めてまいります。
 第一に、資源管理のための施策です。我が国の漁業生産量はピーク時の昭和五十九年に比べ半減しており、主要な魚種の資源評価の結果によれば、半数が低位水準にあり、水産資源の管理と回復を進めることが重要な課題となっています。そこで、船の隻数や操業期間等の規制を行う漁業許可制度をベースに、魚種ごとの資源の動向により漁獲量の上限を定める漁獲可能量(TAC)制度や、地域の漁業者の皆様による話し合いを基に作成された計画に沿って休漁等を行う資源回復計画の取組等を積極的に講じてまいります。
 第二に、漁業経営の安定のための施策です。燃油をはじめとする漁業用資材価格の上昇や生産量、魚価の低迷等によって、漁業の経営は厳しい状態が続いています。このため、不漁や魚価低迷等によって収入が減少した場合の損失を補てんする漁業共済と、それに上乗せして補てんする漁業経営安定対策(積立ぷらす)を実施しているところです。また、平成二十二年度からは、コストが増加した場合の対策として、燃油・養殖用配合飼料の高騰対策を導入することとしています。
GREETING