皆様あけましておめでとうございます。
本組合の業務に関しまして過ぎ去りました1年を顧りみますと昨年もいろいろなことがありました。
まず、昨年は3年毎に行います漁船保険料率改正の年になっておりましたので、年度末に総代会を開催してこれを議決し農林水産大臣の認可を受け4月1日から新料率を適用いたしました。
この改正にあたりまして、所定の方式に基づき本県の普通損害保険の危険率を算出いたしましたところ、今回も全国最低基準であります国の再保険料率を大きく上廻る結果となり、再保険料率への上乗せが必要となりましたが、当組合といたしましては、本県の厳しい漁業情勢に対処するため水産庁等とも協議し、今後とも更に漁船の事故防止に努めることを条件に普通損害保険の基準保険料率については、今回も上乗せをせず従来どおり全国最低基準であります再保険料率と同率とし、不足が予想されます支払保険金7,600万円につきましては、再保険者に6,840万円(90%)を負担願い、残り760万円(10%)につきましては、当組合に於いて負担することにしたほか、付加保険料率についても前回の料率改正と同じく引き上げをせず据え置くこととし、組合員負担の過重を避け漁業経営の安定を図ることといたしました。
更に、船主責任保険の基本損害に於いても14.01パーセント引き下げ組合員に有利になるよう改正しました。
このようにいたしまして、漁船保険への加入を容易にし前年度に引き続き「稼働動力漁船の全船加入と船主責任保険の危険率に応じた高額付保、漁船事故防止の徹底した対策、特に人身事故の絶無と救命胴衣の着用の励行、並びに保険金の早期支払い」を最重点施策といたしまして業務を推進いたしますと共に、平成16年度後半に水産庁に於いて設定いたしました全国平均事故率を平成15年度の28%(本県31%)から平成20年度に25%に引き下げるという、成果目標達成のため鋭意努力いたしました。
この結果、引受実績は2,490隻、268億円と前年度実績に比べ隻数に於いては六五隻(2.54%)引受保険金額に於いて11億円(4.0%)減少いたしております。
これは、昭和62年度以降、22年間連続して在籍漁船が減少したことによるものであります。
また、船主責任保険の基本損害の引受につきましても、危険率に応じました高額付保につき力を尽しました結果、一隻当たりの平均付保金額は、2億7,000万円と所期の目的を達成することができました。
一方、漁船事故は心配されました台風の直接の来襲も幸いになく、台風による被害はほとんどありませんでした。しかしながら、依然といたしまして自動操舵装置などの航海計器類に頼り過ぎ見張りを怠たり衝突、座礁する運航上の不注意による事故等、乗組員の人命にも拘りかねない危険な事故も発生していますところから、組合員及び乗組員、留守家族の皆さん等を対象にした海難防止講習会を県下各漁業協同組合のご協力を得て十一会場(約510名)に於いて開催し事故防止に努めましたが、付保漁船の高船齢化(付保漁船の65.7%が船齢20年以上)による火災、浸水、機関事故等も多く、結果、平成20年度の事故率は28%位になるところから、水産庁の定めた25%に引き下げるという成果目標は達成できない状況でございます。
よって、今後とも海難防止講習会等を通じ事故防止、特に事故率の低減と人身事故の絶無につき指導してまいりたいと存じますので皆様方の絶大なるご協力を賜りますようお願い申し上げます。
以上、平成20年度の業務執行の状況につきまして申し述べいたしましたが、次に新年度に実施いたします、主なる事項につきまして簡単にご説明申し上げご協力を賜りたいと存じます。 |