漁政
燃油高騰に悲鳴を上げる浜の声を要望 平成20年度県水産施策要望
連は関係団体とともに平成19年12月27日に県庁を訪れ、東国原県知事並びに坂口県議会議長に対し、平成20年度県水産施策を要望した。
1 水産予算の確保について
 水産業・漁村の持続的発展には、国・県による支援は必要不可欠であり従来の事業が継続できるよう、水産予算の確保を引き続きお願いいたします。
2 燃油対策について
 原油価格は高騰を続けており、燃油価格の高騰は漁業経営にとっては死活問題に直結しております。燃油価格の安定・供給対策を引き続きお願いいたします。
3 魚価・流通対策について
 漁獲量の減少に加え、輸入水産物も減少に転じているにもかかわらず、魚価の回復が見られない。また、WTOにおいては、引き続き関税撤廃が検討されております。
 ついては、漁業の重要性を広く国民に理解を求め、自給率の向上と魚価の回復を図るため、以下の事項について対策を講じるよう、お願いいたします。
  1. WTO交渉における、関税撤廃、漁業補助金撤廃の阻止、IQ制度の堅持。
  2. 製造・サービス・運送業などが燃油高騰分を価格に転嫁する中、魚の値段を自ら決められな漁業者に、全てのツケが回ってきており、漁業における流通形態の早期改革をお願いする。
  3. いきいき宮崎のさかなブランド確立推進協議会を充実強化し、総合的な流通対策をを推進するため、啓発資材の充実や、イベント等においてブランド認証品のより積極的な広報普及活動を展開するため予算の増額をお願いする。
4 かつお・まぐろ漁業対策について
 かつお・まぐろ漁業の経営安定並びに我が国周辺海域を含む中西部太平洋水域における国際的な資源管理の構築を図るため、以下の事項について対策を講じるようお願いいたします。
  1. 国際競争力アップをはかるため、船舶職員配乗や航行区域、船舶検査等各種規制の更なる緩和。
  2. 漁船に対する小型船舶安全規則の適用を総トン数20トン未満から長さ24m未満に緩和するとともに、船舶職員及び小型船舶操縦者法を同様に緩和すること。
  3. 東沖漁場において大型旋網漁業との競合により、魚価が安定しない現状にある。
    このため、行政の協力・支援のもと対策の推進をすること。
  4. 日本近海に来遊するカツオ資源を太平洋全体の資源動向と区分し、資源調査を行うとともに、適切な資源管理方策を構築すること。
5 沖合・沿岸漁業対策について
 沖合・沿岸漁業並びに栽培漁業・養殖業の振興を図るため、以下の事項について対策を講じるようお願いいたします。
  1. (財)宮崎県水産振興協会で開発が進められているカンパチなどの人工種苗の生産体制の早期確立。
  2. 浮魚礁周辺漁場の継続的利用を確保するため、浮魚礁の耐用年数を考慮した計画的な施策の構築。
  3. 資源回復を図るため、有用魚種の放流、新規魚種の開発等栽培漁業の積極的推進と資源管理型漁業の効果的な促進。
  4. トラフグの資源管理を推進するため瀬戸内海での種苗放流の実施又は支援。
6 金融・経営対策について
 金融施策による漁業経営安定を図るため、以下の事項について対策を講じるようお願いいたします。
  1. 漁業近代化資金(1号資金)の償還期限延長するための政令の改正。
  2. 漁船、漁具、漁労設備、水産物養殖施設の耐用年数の見直し。
  3. 船舶検査資金の制度資金創設(県単)。
  4. 台風などの自然災害発生時の復旧にかかる金融支援。
7 漁協合併と事業統合について
 漁協合併については、6月20日の漁連総会において平成22年4月を目途に漁連、信漁連の包括承継を含めた県1漁協を確立する「宮崎県1漁協構想の基本方針」が承認されたことから、漁協系統が一丸となって合併推進に当たることにいたしております。しかしながら、漁業不振の中、特に各漁協の不良債権を処理するための体力が失われており、これが合併の阻害要因の1つとなっております。漁業協同組合合併促進法は終了することとなりますが、本県独自の支援策について特段のご配慮方お願い致します。
 また、各漁協の経済事業収支は大変厳しい状況にあり、その改革が重要な課題となっている中、販売事業の統合を早急に実施するための支援をお願いいたします。
8 密漁対策について
 密漁の取り締まり強化を引き続きお願いいたします。
9 漁業就業者対策について
 漁業者の高齢化・後継者不足は深刻な状況であり、国際協力の一環として、外国人研修生を受け入れているが、研修費用の負担増により大変厳しい状況にあります。
 ついては、漁業後継者・就業者対策を推進し漁業の存続を図るため、以下の事項について対策を講じるようお願いいたします。
  1. 漁業後継者・就業者対策事業の継続並びに拡充強化。
  2. 外国人漁業研修生受け入れ事業の本制度化。
  3. 外国人実習生の在留期間の延長(3年から5年)。
  4. 外国人研修生受入れにおける研修費用の助成。
10 漁港・漁村整備について
 漁業生産活動の拠点として、安全で効率的な漁業活動が可能な漁港整備や漁村の魅力を生かした環境整備等について、一層の推進をお願いいたします。
11 遊漁船対策について
 漁業と遊漁の実態に即した調整を早急に実施いただき、台風避難時の係留場所の確保をはじめ、漁場でのトラブル発生を防止するよう早急な対応をお願いいたします。
12 水産試験場の機能強化の推進について
 水産試験場は、設備の老朽化が進んでいることから、時代に対応した試験研究を行うため全体整備による機能強化をお願いいたします。
13 環境問題への対応について
 近年台風の大型化や爆弾低気圧等異常気象による漁業被害が多発している。このため温暖化防止等、漁業における環境対策を推進するため、以下の事項について対策を講じるようお願いいたします。
  1. 流木をはじめとする陸上起源の混獲ゴミの公的機関による処理方法の構築。
  2. 電気推進エンジンや水素エンジン、バイオ燃料など、化石燃料に頼らない船舶用エンジンの開発・研究の推進並びに省エネ機関の導入に対する支援。
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