年頭のごあいさつ
宮崎県漁船保険組合 組合長理事 河畑 治  
河畑 治
様あけましておめでとうございます。
漁船保険に関しましては過ぎ去りました1年を顧りみますと昨年も色々なことがありました。
特に、3月11日に発生しました東日本大震災は漁船保険業界にとっても未曾有のことであり、一部には漁船保険制度そのものが破綻するのではないかなどの流言が出ましたが、漁船保険組合、漁船保険中央会(再保険)、水産庁(再々保険)が一体となり早期支払に努め、震災から8ヵ月経った時点で全国で約2万1,000隻と言われる被災漁船のうち件数で約89%(約1万8,600隻)、金額で68%(約388億円)の支払を終えました。このように大震災に全力で対応いたしました。
このような中、中央会の制度問題特別委員会に於いては、被災組合を含めて、今後漁船保険の引受隻数の漸減、船齢の高船齢化等により経営環境が悪化することが懸念されることから5年から6年後を目処に中央会と全保険組合を統一した漁船保険組合の実現を目指すため、その具体的な方向性について検討することとなりました。
次に当組合の業務に関しましては、昨年は3年毎に行う漁船保険料率改正の年になっておりましたので、前年度末に総代会を開催してこれを議決し農林水産大臣の認可を受け4月1日から新料率を適用いたしました。
この改正にあたり所定の方式に基づき本県の普通損害保険の危険率を算出した結果、算定期間である過去10年間(平成11年度から20年度)の保険金支払率(ロスレシオ)は112.5パーセント(支払保険金/徴収保険料=49.3億円/43.8億円)と超過支払保険金は5億5,000万円に達していますが、当組合としては本県の厳しい漁業情勢に対処するため水産庁等とも協議し、今後とも更に漁船の事故防止に努めることを条件に基準保険料率については、今回も上乗せをせず従来通り全国最低基準であります再保険料率と同率(平成20年度設定料率より4.58%引き下げ)とし、付加保険料率についても前回同様据え置き、組合員負担の過重を避け漁業経営の安定を図ることと致しました。
更に漁船船主責任保険についても10.49パーセント引き下げました。
このようにいたしまして漁船保険への加入を容易にし、前年度に引き続き「稼働動力漁船の全船加入と船主責任保険の危険率に応じた高額付保、漁船事故防止の徹底した対策、特に人身事故の絶無と救命胴衣の着用の励行、並びに保険金の早期支払い」を最重点施策として業務を推進いたしました。
その他、前年同様、事故防止事業として漁船機関並びに電気設備整備点検事業を実施するとともに、3年間無事故継続加入漁船に対して中央会から助成を受けた報償金と、当組合からの無事戻金を併せて711隻、1,094万円を交付し更なる無事故奨励を進めて参りました。
この結果、引受実績は2,340隻、245億円と前年実績に比べ隻数に於いて52隻(2.17%)、引受金額に於いて9.8億円(3.84%)減少いたしております。
一方漁船事故は、依然といたしまして自動操舵装置などの航海計器類に頼り過ぎ見張りを怠り衝突、座礁する運航上の不注意による事故のほか、高船齢化に伴う火災事故等乗組員の人命にも拘りかねない危険な事故も発生しています。特に11月22日には千葉県勝浦沖にて鮪延縄船(18トン)の機関室付近から出火全焼し、乗組員5名は救命胴衣を着け海中に飛び込みましたが、1人は救助されるも2人が殉職、2人は未だ行方不明となっています。この外7月には小型底曳船が転覆し乗組員1名が殉職するなど、今年度合わせて6人もの尊い犠牲者を出したことはまことに痛恨の極みであります。
よって、今後共この種事故の再発防止と、操業の安全につきまして、指導してまいりたいと存じますので、皆様方の絶大なるご指導、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
以上、平成23年度の業務執行の状況につきまして、申し述べましたが、次に新年度に実施いたします主なる事項につきまして簡単にご説明申し上げます。
まず漁船保険組織の一元化等重大な局面を迎えていますので、これ等の動向をも注視しつつ遺憾のないよう今後の事業運営に努めてまいりたいと存じます。
よって新年度も前年度同様「稼働動力漁船の全船加入、漁船事故防止、特に航行時の見張りの徹底と操業時の安全対策、保険金の早期支払い」を最重点施策といたしまして業務の推進に努め漁船事故による損害の復旧と船主等の諸種の負担を軽減して漁業経営の安定に資するという本組合の使命達成のため全力を尽す所存でございますので、何卒皆様方のご協力を賜りますようお願い申し上げます。
年頭にあたりまして、皆様のご健康と操業の安全並びに豊漁をお祈り申し上げご挨拶といたします。
GREETING