年頭のごあいさつ
全国共済水産業協同組合連合会 代表理事会長 鎌 田 光 夫
鎌 田 光 夫
年を迎え、あらためて、昨年の3月11日に発生いたしました東日本大震災により亡くなられた方々に対するご冥福と被災された皆様に対しましてお見舞申し上げますとともに、漁業・漁村の一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。
共水連においても緊急支援物資の被災地への搬送や毎月11日に実施している独自の募金活動を行いながら、共済金の迅速な支払いを最優先にすすめ、これまでに約230億円の支払いを終えています。今後も震災対応を共水連の重点事項に掲げながら、被災されたご契約者の皆様に対しては保障・補償の継続を目的とした各種施策の実施、被災されたJFに対しては共済事業維持のための広範な支援を行ってまいります。
さて、わが国の経済は緩やかな回復基調にあるものの超円高や欧州債務危機の世界経済への影響が懸念され景気の先行きは不透明感を増しています。また、JF共済の事業基盤である漁村・漁業においては魚価の低迷や燃油の高止まりに加えて、東日本大震災による被災漁業・漁村の復興・再生への立ち遅れ、福島原発の放射能漏れ事故による風評被害等、また、政府による安易なTPP交渉への参加表明等、厳しい状況が続いています。
こうした中、JF共済では"がんばろう東北 がんばろう漁村""今までも、これからも「ありがとう!60年」"を冠した新3か年計画のもと「漁村復興応援キャンペーン」を全国展開しているところですが、昨年7月1日改正のチョコー・特別養老共済「すーぱーまいぷらん」および特別終身共済「すーぱーまいぷらんぷらす」をはじめ、10月1日から取扱いを開始した一時払養老共済「お宝」の加入状況が好調に推移しており、この勢いのまま、最優先の経営課題であります平成23年度のチョコー新規加入の目標を達成し、減少傾向にある保有実績についても上積み、回復してまいりたい、と考えているところです。
また、当面の主要課題としては、今後見込まれるソルベンシー・マージン基準の厳格化等に対応し、支払余力を強化するために、資本の増強を目的として40億円を目処に平成24年度から3年間にわたり会員の皆様に増資をお願いすることとしており、さらには、マネジメント改革の推進、漁業者ねんきん収支改善措置の検討、また、より浜に根ざした制度開発をすすめるなど、経営の健全性の確保と事業基盤の強化に邁進する所存であります。
どうか本年におきましても引き続き皆様のご支援、ご協力を賜わりますよう、切にお願いを申し上げる次第でございます。最後になりましたが、わが国漁業の明るい未来とJFグループがますます発展することを祈念いたしますとともに、皆様方のますますのご健勝とご活躍を心からお祈り申し上げます。
全国漁業共済組合連合会 会長理事 川端 勲
川端 勲
国の漁村の皆様、明けましておめでとうございます。
新春にあたり、皆様の本年のご多幸を心よりご祈念申し上げます。
昨年3月11日に発生し東北地方の太平洋沿岸を中心に甚大な被害を与えた東日本大震災から、早や10カ月が経過しようとしております。被災地では、各方面からの支援のもと復旧に向けた活動が進められ、漁業・養殖業を再開した浜もあるものの、本格的な復興再生への道のりはまだ遠く険しいと言わざるをえません。
さらに、昨年西日本の各地に大きな被害をもたらした台風などの自然災害、引き続く水産資源の悪化と魚価の低迷など、わが国の漁業は過去に例を見ないほどの厳しい状況に直面しているところです。
こうした中、平成23年度より「資源管理・漁業所得補償対策」の一環として開始された「漁業収入安定対策事業」により、国の掛金助成がさらに手厚くなった「ぎょさい」と、加入要件が緩和され漁業者負担も大幅に軽減された「積立ぷらす」の利用が大きく前進しました。今年度上半期の加入実績は、共済金額2,495億円、積立金額256億円(うち漁業者分64億円)となり、共済金額で299億円増、積立金額で207億円増といずれも前年度同期を大きく上回る成果を収めることができました。
私ども漁業共済団体は、「漁業収入安定対策事業」の実施に併せて昨年4月から新たな普及推進運動『ぎょさいでぷらす!安心経営』を展開し、「ぎょさい」と「積立ぷらす」を全国のすみずみまで浸透・定着させることを目的に、系統各団体や行政と連携して組織を挙げた普及推進活動に取り組んでいるところです。この運動の目標として、共済金額5,100億円、漁業者積立金額140億円を設定しておりますが、事業実施初年度という重要性に鑑み、運動目標の完遂が肝要であると強く認識しております。
GREETING