水産試験場
(2)毎年の放流魚混獲状況
表3は、本県のヒラメ漁獲量のうち、混獲された放流魚の重量と割合を推定したものです。
全海域における放流魚の混獲が算出できるようになった、平成12〜21年(10年間)における平均混獲重量は全体の16.6%の5.8トンと推定されました
  重量(トン)
全体 放流魚 割合
H12 32 5.5 17.2%
H13 33 7.3 22.1%
H14 30 5.3 17.7%
H15 28 4.2 15.0%
H16 35 2.6 7.4%
H17 47 7.3 15.5%
H18 41 4.8 11.7%
H19 39 10.6 27.2%
H20 37 4.6 12.4%
H21 31 6.0 19.4%
平均 35 5.8 16.6%
表3 毎年のヒラメ放流魚混獲状況
(3)放流群別の放流ヒラメ回収状況
表4は、放流された年ごとのヒラメ放流群について、各群各年齢ごとに漁獲による回収尾数、重量、回収率を、ヒラメの漁獲量が比較的多い県中部地区(都農町から宮崎市)において、より詳細なデータを基に推定したものです。
平成5〜14年放流群の平均回収尾数は約4.8千尾、重量は約3トン、平均回収率(尾数ベース)は約2.2%と推定されました。

3.資源の維持、増殖のために

マダイ・ヒラメの放流魚は、それぞれ毎年、平均すると水揚げ全体の十数%を占めるものと推測されますが、種苗放流は、この漁獲による直接的な放流効果に加え、放流魚が子供を生む副次的効果により、資源量全体の底上げにも寄与することが期待されます。
今後、放流効果をより高めつつ、マダイ・ヒラメ資源を維持し、増やしていくためには、経済価値の低い、小型の若齢魚の漁獲を抑えるなど、資源の効率的な利用を進めるとともに、放流時においては、放流稚魚を弱らせてしまわないように取扱いをいっそう注意深く行うなど、資源の管理と適正な放流手法の実践が重要であると考えています。
日向灘のマダイ、ヒラメの漁獲の安定に向けて、関係者一体となって頑張りましょう。
7日 内水面研修会 26日 第2回資源管理協議会定例会
19日 全国内水面漁場管理委員会連合会
西日本ブロック協議会
28日 第1回宮崎県資源評価委員会
24日 第286回宮崎県内水面漁場管理委員会
(宮崎市)
   
FISHERIES EXPERIMENT