水産試験場
平成19年下半期の長期漁海況予報について ―資源部―
回は、平成22年12月15〜16日に開催された太平洋イワシ・アジ・サバ等長期漁海況予報会議の結果について紹介します。

【海況】

経過(2010年8月〜12月)
[黒潮] ◆都井岬の黒潮流軸は、8月に「かなり離岸」、9月に「やや離岸」、10月に「接岸」、11月に「やや離岸」、12月以降に「著しく離岸」で推移した。
[沿岸水温] 沿岸海洋観測による日向灘の水温(0m,50m,100m層より判断)は、平年値(1972〜2008年度平均)と比べて、8月に「平年並み」、9月に「やや高め」、10月以降「かなり高め」で推移した。
予測(2011年1月〜6月)
[黒潮]

◆都井岬の黒潮流軸は、1月に「離岸傾向」、2〜3月に「接岸傾向」となった後、4〜6月に「離岸傾向」で推移する。

[沿岸水温] ◆日向灘の水温は、期間をとおして「平年並み」となる。

【漁況】

[マイワシ]

経過(2010年8〜12月)
◆まき網による漁獲量は統計上0トン。ウルメに混獲されていたマイワシのサイズは、7月が13cmモード、8月が14cmモード、10月が15cmモードであった。
予測(2010年1月〜6月)
◆北薩〜熊野灘(まき網、定置網)
◆来遊量:熊野灘南部以西の海域では前年並か下回る。熊野灘北部では前年並。
◆漁期・漁場:期を通じて漁獲される。
◆魚体:熊野灘南部以西では16〜22cmの1歳魚主体。期の後半より5〜12cmの0歳魚が混じる。熊野灘北部沿岸では14〜20cmの1歳魚主体に19cm以上の2、3歳魚が混じる。

[ウルメイワシ]

経過(2009年8〜12月)
◆まき網の漁獲量は7月の1,770トンをピークに減少傾向で推移、0歳魚が主体となった6-9月の漁獲量は前年比140%であったが、10月以降は低調(前年比8%)に推移した。
◆漁獲サイズは、7月が14cmモード、8月が13-14cmモード、10月が16cmモードであった。
予測(2010年1月〜6月)
◆北薩〜熊野灘(まき網、定置網、棒受網、多鈎釣)
◆来遊量:北薩〜薩南では非常に好調であった前年を下回る。日向灘では低調であった前年並。豊後水道南部西側では前年を下回る。豊後水道南部東側では低調であった前年を上回る。土佐湾では前年並か上回る。紀伊水道外域西部では前年並か下回る。紀伊水道外域東部では前年を下回る。熊野灘では極めて低調であった前年並。
◆漁期:全期間。
◆魚体:1〜3月では14〜20cmの1歳魚が主体。4月以降は12cm 以下の0歳魚も漁獲対象となる。
FISHERIES EXPERIMENT