雌雄の判別
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では、まず雌雄判別についてですが、腹部を切り開いて、生殖腺そのものを観察すれば容易に判別できます(図1)。しかし、市場調査でそんなことはできません。
そこで、ご承知の方もおられることと思いますが、カサゴの肛門近くの交接器(生殖器:雌の場合はここでは生殖器と称します。)を観察し、判別します。
鮮魚でも活魚でも同じですが(生きている方がわかりやすいようです)、肛門の前を軽く押さえ、交接器(生殖器)が少し飛び出すようにするとその形状で雌雄をほぼ判別できます。ただし、文献によれば、雄の交接器は人の第2次性徴と同様、成熟して発達するとのことでおそらく1才半未満のカサゴではこの方法では困難ではなかろうか思います。もっとも市場でこのような小さいカサゴを見かけることはまずありません。
やや前方に向かうように飛び出し、比較的固めで周りとの境界が入り込んではっきりしているようなものは雄(図2)、前方ではなく直上に、全体としてはなだらかに飛び出し、周りとの境界がさほどはっきりとしていないものは雌(図3)。また、見え方によっては、雄の交接器の表面に2つの小突起が見え、輸精管の出口と輸尿管の出口と思われます。
雌は盛り上がった部分に1つの小突起がみえます。また、その前方に、時として横スジのように見える箇所があります。それぞれ輸尿管と輸卵管(仔魚を産出する管)の出口と思われます。
程度の差はありますが、大型魚ほど判りやすいようです。
これらを目安に水揚されたカサゴ1尾1尾の全長組成と雌雄について市場調査を行っているところです。 |
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図1.5月期の雄(左)、雌(右)の生殖腺 |
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図2.雄の生殖突起(交接器) |
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図3.雌の生殖器 |
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