原油価格は、高止まりのまま推移しており、投機筋のマネーゲームに翻弄される不安定な状況にある。未だ回復の兆しは無く、政府自民党も対応に手をこまねいている。著しい中国の経済成長に付随して長期低迷から抜け出そうとしていた日本経済のみならず、世界経済への悪影響も懸念されている。
そのような状況下、漁業は好景気の恩恵に浴せず、燃油の高騰が経営を圧迫している。欧米の健康食ブームや中国の魚消費量が急激に増加し、海外市場において日本商社が買い負けるなど、輸入水産物は減少傾向にある。またマグロ類地域漁業管理機関において漁獲枠の削減や台湾船の減船が相次いで決議され、加えて日本漁船が廃業等で急激に減少したことにより、日本ではマグロが食べられなくなるなどマスコミが不安をあおっている。市場では供給不安から、総体的に値上がりも期待されるが、経費増大の中では適正価格と呼べる段階ではない。
さらに、関税撤廃・輸入自由化など難問が山積する中で、国際的な資源管理の枠組みの中、安定経営、安全な漁場を確保することはきわめて重要である。資源枯渇が危惧され、漁獲量が減少する中で若齢魚まで一網打尽にする国内外の大型まき網船の規制強化が一日も早く実現するよう訴えていかなければならない。
漁業者は国民へのタンパク供給産業の一翼として、安全・安心な水産物を確保・供給する使命を担っており、我が国漁業の存続のため、規制緩和による国際競争力の強化、資源回復計画の推進、環境対策による地球環境の保全、新技術開発による化石エネルギーからの脱却など将来を見据え、漁業の多面的機能を認識した新たな対策の構築が喫緊の課題となっている。
このような情勢を踏まえ、本年3月に、新たな水産基本計画が閣議決定され、今後10年程度を見越した水産政策の指針として、6つの政策課題と関連施策が打ち出された。特に国際競争力のある経営体の育成・確保と活力ある漁業就業構造の確立では、漁船漁業構造改革の推進と新しい経営安定策の導入が盛り込まれ、我が国漁業の将来を担う経営体に対する支援施策の集中が図られているので、系統あげて事業に参画していかなければならない。
また、漁業・漁村の再生に向けて、漁業者の声が国政に反映されるよう、水産政治力の結集に向けた取り組みを一層強化していかなければならない。
組織再編については、新たな合併構想に向け、県下JF・連合会が一体となって推進することが喫緊の課題であり、各JFのご理解とご協力をお願いする。
本会としては、これら山積する課題に積極的に取り組み、事業部門毎に推進事項を設定して事業を推進して参りたい。 |
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経営管理方針 |
1.管理体制 |
- 職制規程の遵守徹底を図り、内部牽制制度を強化し、適正な事務処理に努める。
- 職員の意識改革を図り、職場の活性化に努める。
- 事業の円滑化を期するため、諸資格の取得に努める。
- 予算統制の強化と執行を厳正にし、経費の節減に努める。
- 施設の有効利用に努め、業務効率の向上を図る。
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2.財務体制 |
- 第12次中期経営計画に基づき会員の協力を得て、内部留保に努め、自己資本の造成と経営基盤の建て直しを図る。
- 資金調達・運用の効率化と保有在庫に留意し、財務の健全化を図る。
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3.施設 |
- 老朽化が進んでいる施設は、更新等について検討する。
- 氷需給の円滑化を期するため、各製氷工場の点検・整備を実施する。
- 給油施設は、定期的な点検を実施し防災に努め、円滑なる事業推進を図る。
- 直販施設をフルに活用し、販売拠点として効率的な運用を図る。
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