本県水産業の現状は、漁業者の急速的な減少及び高齢化により、正組合員数は、平成元年で5,300名、平成18年度においては3,300名とこの間2,000名の減少となっており、また、正組合員の年齢構成をみると平成元年度は、50歳代未満が73%であったものが、平成18年度では55%に減少し、60歳代以上は45%となるなど高齢化は歯止めがかからない深刻な状況にある。
属人水揚高は、平成2年度の499億円を境に減少に転じ、平成18年度は371億円の実績となり、この間128億円の減少となっている。これに伴い漁協の全体の事業利益もマイナスとなる厳しい事態に陥っている。
今後、現状の組織体制のまま漁協経営の収支改善を図るには、組合員に対する購買・販売事業等の手数料アップといった新たな負担も予想されるところである。
さらには、魚価安・燃油高騰といった取り巻く環境の悪化に伴い、漁業者はぎりぎりの経営を強いられており、これ以上の負担は、漁業の存続に支障を来すことも必至である。
本県漁業の維持振興と、組合員のよりどころである漁協組織の基盤強化を図るためには、資本の分散と組合員−漁協−連合会といった系統3段階システムにあっては、組合員の安定した漁家経営の抜本的な改善向上は望めず、本県系統組織の大改革による漁協・連合会が一つとなった県1漁協構築により、事業管理費の大幅な削減と新たな事業改革を行い、組合員の負託に応えうる強固な組織の実現に向け、系統一丸となって組織再編に取り組まなければならない。 |