水産試験場
[カタクチイワシ]
経過(2012年1〜6月)
◆当期のまき網は、1〜5月中旬まで低調に推移したが、5月下旬から大型成魚群(被鱗体長12-13cm主体;※1)の来遊があり、前年を上回った。沿岸発生群(5月で10-11cm台主体;※2)の漁は低調に推移している。
※1冬春期に足摺岬以東から日向灘へ来遊する資源
※2日向灘及び周辺海域のシラスが成長した資源
予測(2012年8月〜12月)
◆北薩〜紀伊水道外域(まき網、定置網)
◆来遊量:北薩・薩南では前年を下回る。日向灘〜豊後水道南部西側では前年並。豊後水道南部東側では前年を下回る。土佐湾〜紀伊水道外域ではまとまった漁獲がない。
◆魚体:10cm〜13cmの1歳魚および11cm以下の0歳魚。

[マアジ]
経過(2012年1〜6月)
◆まき網による漁況は、例年どおり年明け1歳魚(聞取サイズで18-19cm)主体であった。
◆日向灘南部大型定置網(2統)による漁獲量(前年11月〜5月)は124トンで前年比47%、平年比71%であった。漁獲サイズ(尾叉長)は、1〜4月は25-28cmモード、5月は18-20cmモードであった。例年であれば、4月から18-20cmが多獲されるが、今年は少なかった。
◆日向灘南部の南郷漁協へ水揚げされる定置網のアジ仔は、4-5月で5.6トン、前年比160%、平年比76%であった。5月の漁獲サイズは8〜10cm台にモードがみられた。
予測(2012年8月〜12月)
◆北薩〜土佐湾(まき網、定置網)
◆来遊量:北薩〜薩南海域では前年並。日向灘では前年並〜下回る。豊後水道では前年を下回る。土佐湾では前年並〜下回る。
◆魚体:0歳魚は19cm以下。1歳魚は19cm〜25cm。2歳魚は25cm以上。

[サバ類]
経過(2012年1〜6月)
◆まき網による漁獲は、ゴマサバ2009年級(3歳)主体に4月からは0歳魚(サバナゴ;ゴマサバ主体)も漁獲されており、6月はサバナゴ主体で推移した。漁獲サイズは、1〜3月のまき網・定置網で尾叉長31-32cmモード、5月のまき網で12cm(サバナゴ)、32-33cmモードであった。
◆日向灘南部大型定置網に入網した0歳魚(サバ仔)の推定漁獲量(雑魚に占める割合から算出)は4-5月で125トン、豊漁であった前年の50%であるが、06-10年比の533%であった。3〜5月の漁獲サイズは、尾叉長8-14cmモードであった。
予測(2012年8月〜12月)
◆薩南〜豊後水道(まき網、定置網) ◆来遊量:マサバは低水準。ゴマサバ0歳魚は前年並。1歳魚は、薩南では前年を下回る。日向灘〜豊後水道南部では前年並。2歳魚は前年を下回る。3歳以上は少ない。さば類全体としては、薩南海域では好調であった前年を下回る。日向灘では前年並〜下回る。豊後水道南部では前年並。
◆魚体:マサバは混獲程度。ゴマサバが主な漁獲対象となる。薩南海域では20cm〜36cm(0歳〜2歳魚)。日向灘では22cm〜35cm(1歳、0歳魚)主体。豊後水道南部では20cm〜30cm前後(1歳、0歳魚)主体。

7月の動き(県関係)
10日 第289回宮崎県内水面漁場管理委員会(宮崎市)
20日 平成24年度九州各県水産主務課長協議会(沖縄県)
FISHERIES EXPERIMENT