日頃から水産試験場の試験研究の推進にご理解と御協力をいただき、厚くお礼を申し上げます。 水産試験場は、主に海面を担当する資源部、増殖部、生物利用部と内水面を担当する小林分場の3部1分場体制で、資源部は「漁業の効率化と資源の適正管理のために」、増殖部は「豊かな海づくりのために」、生物利用部は「水産物の安全性と品質向上のために」、小林分場は「内水面の多面的機能の活用のために」をキーワードに試験研究に取り組んでいます。 現在、県では、平成23年6月に策定された「第5次宮崎県水産業・漁村振興長期計画」により、「資源回復と経営力の強化による持続可能な水産業・漁村の構築」、所謂、「儲かる水産業の構築」を基本目標に掲げ、様々な施策に取り組んでおります。 水産試験場では、これらの取り組みを支援するために、「儲かる水産業を支える水産技術の開発」と「技術開発を担う試験研究体制の整備」に取り組んでおり、特に、「儲かる水産業を支える水産技術の開発」については、大きな推進の方向性として、「水産資源の回復と持続的利用（資源回復）」、「効率的生産による漁業経営の安定（コスト削減）」、「消費者に信頼される水産物の供給（魚価向上）」の三つの柱により試験研究に取り組んでおり、平成23年度の試験研究課題としては、「水産資源の回復と持続的利用」で延11課題、「効率的生産による漁業経営の安定」で延9課題、「消費者に信頼される水産物の供給」で7課題の合計・延27のテーマ（小課題）により、今年度から新たに取り組んだ○カツオ･マグロ類の漁場予測技術の高度化による操業効率化技術の開発に関する研究、○養殖新魚種としてのマサバ等種苗生産技術開発、○藻場の餌料生産機能の把握と効率的利用法に関する研究、○魚価アップのための高品質化技術の開発及びマニュアルの作成、○内水面における魚類等生息環境の把握など40程の事業に取り組んでいます。 一方、平成22年度に終了しました9課題につきましては、生産者（漁協青壮年部連絡協議会会長、漁村女性連絡協議会）と、消費者、関連業界関係者、関係機関・団体関係者、学識経験者で構成されます宮崎県農政水産部試験研究評価検討委員会等において、これらの試験研究で得られた結果が、現場で求められている成果となっているかの審査を頂きました。 その結果、「ねらいどおりの成果があり活用が期待できるもの」8課題、「現段階では活用できないが継続することで期待できる等」1課題と評価されました。 当試験場では、これら試験研究で得られた成果を現地研修会や漁業者の皆様方の勉強会、あるいは普及指導員を通して速やかにお知らせして、水産業の推進に活用していただけるよう努めているところです。 また、試験研究の成果を広く御紹介し、関係者の皆様方から御意見を直接いただき、今後の研究の推進に活用することを目的に、標記発表会を毎年開催しております。 今年度は、下記のとおり開催しますので、是非、御来場ください。

3. 発表者並びに発表課題と概要（内容が一部変更されることがあります）

(1)小林分場　主任技師　兒玉龍介

課題名 チョウザメ種苗生産技術の最適化について シロチョウザメ稚魚 概要 水産試験場では、平成16年にシロチョウザメの完全養殖に成功し、現在、養殖用種苗の安定供給を目的として、種苗生産技術の最適化に取り組んでいます。そこで、平成23年春期の種苗生産試験で得られた成果についてご報告します。