水産試験場
[カタクチイワシ]
経過(2011年1〜6月)
◆まき網による漁獲量は351トンで、前年比8%、平年比15%であった。まき網では大型成魚群(被鱗体長12cm以上 ※1)の来遊がなく漁は低調に推移した。5月に入り、ウルメやマイワシの0歳魚とともに体長8-10cm台(沿岸発生群 ※2)中心が漁獲され始めたが、6月の漁獲量は238トンと低調に推移した。
※1 冬春期に足摺岬以東から日向灘へ来遊する資源
※2 日向灘及び周辺海域のシラスが成長した資源
予測(2011年8月〜12月)
◆北薩〜紀伊水道外域(まき網、定置網)
◆来遊量:北薩・薩南では前年を下回る。日向灘では前年並。豊後水道中部・南部では前年を下回る。土佐湾〜紀伊水道外域ではまとまった漁獲がない。
◆魚体:10cm〜13cmの1歳魚および11cm以下の0歳魚。

[マアジ]
経過(2011年1〜6月)
◆まき網による漁獲量は390トンで、前年比182%、平年比63%であった。主体は年明け1歳魚(1月で尾叉長19-21cm台)であった。
◆日向灘南部大型定置網(2統)による漁獲量(前年11月〜5月)は265トンで前年比216%、平年比155%であった。5月(147トン)が記録的な好漁となり、前年比563%、平年比321%であった。漁獲サイズは、1-3月上旬は尾叉長25-26cm台モード、3月は17-18cm台モード、4-5月は18-22cm台主体であった。
◆日向灘南部の南郷漁協へ水揚げされる定置網のアジ仔(0歳魚)は、4-6月で8.5トン、前年比72%、平年比55%であった。サイズは4月が尾叉長7cm台、5月が7-10cm台、6月が7-9cm台モードであった。
予測(2011年8月〜12月)
◆北薩〜土佐湾(まき網、定置網)
◆来遊量:北薩〜薩南海域並びに日向灘では0歳魚主体で前年並。豊後水道南部西側では0 歳魚主体で前年並か下回る。豊後水道東側では0歳魚主体に低調であった前年を上回る。土佐湾では、0、1歳魚とも低調であった前年並か上回る。
◆魚体:0歳魚は19cm以下。1歳魚は19cm〜25cm。2歳魚は25cm以上

[サバ類]
経過(2011年1〜6月)
◆まき網による漁獲量は7,170トンで前年比92%、平年比120%であった。1-4月は尾叉長29-31cm台モード(2009年生まれ)主体に3,824トン、5-6月は14-19cm台モードのサバ仔主体に34cm台モード(2007年生まれ)と30-31cm台モード(2009年生まれ)で3,481トンであった。
◆日向灘南部大型定置網に入網したサバ仔(0歳魚)の推定漁獲量(雑魚に占める割合から算出)は4-5月で249トン、前年の7倍、平年の10倍で大量に入網した。漁獲サイズは、3月が尾叉長7-10cm台、4月が10-13cm台、5月が9-18cm台モードであった。
予測(2011年8月〜12月)
◆薩南〜豊後水道(まき網、定置網)
◆来遊量:マサバは低水準。ゴマサバ0歳魚は薩南海域では前年を上回り、日向灘では低調であった前年並、豊後水道では前年を下回る。1歳魚は前年を下回る。2歳魚は前年を上回る。3歳以上は少ない。さば類全体としては前年を下回る。
◆魚体:マサバは混獲程度。ゴマサバが主な漁獲対象となる。薩南海域では30cm〜35cm(2歳魚)主体に30cm以下(0歳魚)も漁獲される。日向灘では30cm〜35cm(2歳魚)主体、豊後水道では20cm〜30cm前後(0、1歳魚)主体に30cm〜35cm(2歳魚)が混じる。

7月の動き(県関係)
3日 「宮・宮の絆イベント」〜帰っきたど&待っでだでば〜
7日 九州各県水産主務課長協議会
14日 九州地区漁港漁場大会
FISHERIES EXPERIMENT