水産試験場
イワガキの出荷の目安は殻付重量で200〜300g以上といわれており、延岡市浦城においては養殖試験開始から1年6か月経過した段階で約3割の個体が殻付重量で200gに達しています。また、大きな個体ではすでに300g以上(図8)のものもあります。
今後、延岡市浦城ではイワガキの養殖を開始して、約2年で多くの個体が出荷サイズになると予想されます。

養殖にあたっての課題

養殖試験を行う中で出てきた課題として、ヒラムシ(図9、10)による食害があげられます。ヒラムシとは扁形動物に属する生物で、ヒラヒラと扁平な形が特徴で、貝殻の隙間から侵入し、貝の軟体部を食べます。特に高水温時に摂食量が増えるようで、夏から秋にかけて被害が大きくなりました。
また、成長に伴う、カキ同士の競合による減耗・脱落(図11)も課題として考えており、今年度は1個体ずつに分けて養殖する手法である「耳吊り養殖」(図12)に取り組み、現在、試験養殖として継続しているところです。
耳吊りは蝶つがいの少し上の貝殻に電動ドリルで直径2.5mmの孔をあけ、そこにテグスなどを用いてロープに固定する方法で行いました。
FISHERIES EXPERIMENT