漁政
藻場・干潟・サンゴ礁・ヨシ帯保全活動時例発表会

JF全漁連(共催・海と魚と食を考える会)は、2月28日、東京・千代田区のグランドアーク半蔵門において、漁業者などなぎさの保全活動に取り組む全国の守人たち約300人参加のもと「なぎさの守人シンポジウム2011」を開催した。
開会にあたり長屋信博JF全漁連常務は「このシンポジウムは、里海を守る多くの活動を知ってもらうとともに各地で参考としてもらうため開催した。皆さん方には、なぎさの保全・里海づくりの大切さを感じて頂きたい。」と挨拶。水産庁漁港漁場整備部の吉晋吾整備課長は「磯焼け対策などの技術開発、基盤整備、環境生態系保全対策を効果的に連携させることによって、多様性に富んだ沿岸環境を保全・回復させていきたい。」と挨拶した。
第1部では、国連大学高等研究所いしかわ・かなざわオペレーティングユニットのあん・まぐどなるど所長による「海人万華鏡〜里海から見た日本列島〜」と題した特別講演 あんさんは、1994年から日本各地の漁村を巡ってホームステイし、人びとの暮らし方や海との接し方を学んだ体験も織り交ぜて、里海からみた日本を語った。

第2部は、
@北海道・長万部ほっき貝漁場環境保全委員会・有賀 智氏
A福島県・いわき藻場保全研究会・新谷 渡氏
B愛知県・蒲郡市漁場環境保全協議会・江戸俊介氏
C的矢湾アマモ再生協議会・北村 亨氏
D兵庫県・森地区豊かな海づくり活動組織・森 正安氏
E徳島県・牟岐の藻場を守る会・長岡弘和氏
F高知県・池ノ浦・久通磯焼け対策部会・早渕利治氏
G沖縄県・恩納村美ら海を育む会・山城正己氏
8人の“なぎさの守人”が活動を発表。
ディスカッションでは、コーディネーターを務めた鈴木輝明名城大学教授が「漁業活動の維持と海の生態系の維持をどうするかは同義語。本質的に漁業が他の産業と違うのは、効率性を求めると漁業自体が瓦解するという諸刃の剣。微妙な生態系と付き合わざるを得ない重みのある産業であるということ。漁業者の結束を高め、海に関心のある若い人を育てて広い意味で持続させることが必要。そのためにはもっと情報の発信と共有をはかることが重要」と締めくくった。
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