水産試験場
(血液性状および血漿生化学性状)
各試験飼料を与えたカンパチの血液の検査を行ったところ、赤血球数・ヘモグロビン濃度、ヘマトクリット値に異常は見られませんでした。また、血漿成分の分析の結果、エクストルーダー飼料区の総コレステロール含量と総タンパク質が対照飼料区よりも有意に高くなっておりました。
表3 血液性状および血漿生科学性状
試験区 赤血球
(106/mm3)
Hb濃度
(g/dl)
Ht値
(%)
GOT
(IU/L)
GPT
(IU/L)
総コレステロール
(mg/dl)
総タンパク質
(%)
エクストルーダー飼料 3.76b 8.0 41.9 43.0b 10.0 265.1b 4.2b
対照飼料 3.34a 8.1 41.0 14.7a 10.0 224.7a 3.9a
P値 0.023 0.680 0.332 0.002 - 0.010 0.049
値は平均値(n=9)
同一カラムに異なる上書きをもつ平均値は有意に異なる(p<0.05)

*P値:値が0.05より大きければ差がなく、0.05であれば5%で有意差ありと判断されます。
値が小さければ小さいほど有意的な差があることになります。

さらに

再度、カンパチ0歳魚を用いて飼育試験を行ったところ、エクストルーダー飼料区の成長は、対照飼料区よりも優れておりました(図2)。


図2 平均体重の推移(再試験)

まとめ

エクストルーダー飼料区のカンパチの日間給餌率は、対照飼料区とほとんど同じにも係わらず、日間成長率が高く、増肉係数が優れておりました。
エクストルーダーの性質と試験結果から考察すると、カタクチイワシがエクストルーダーでミールに加工される間に、魚に消化吸収されやすい状態になったと推測され、その結果、エクストルーダー飼料を与えたカンパチは、対照飼料を与えたものより大きく育ったのではないかと考えられました。
以上の結果から、エクストルーダーで製造したミールは、広く利用されている輸入ミールよりも優良な飼料原料となりえることが明らかとなりました。今後、このような国内のサンマやカタクチイワシがミール原料として利用され、宮崎県でも実用化されることにつながればと期待しております。

25日 第61回宮崎県漁港漁場協会通常総会(宮崎市)
26日 宮崎県食の安全・安心対策会議幹事会(宮崎市)
26日 漁業士会総会・認定証授与式(宮崎市)
27日 宮崎県藻場干潟等保全地域協議会臨時総会(宮崎市)
30日 平成22年度 宮崎県水産振興祭運営委員会(宮崎市)
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