生物利用部では、未利用又はまだ利用の余地がある魚で作ったミールの養魚飼料原料としての有効性について検討をしてきました。
昨年9月のこのコーナーでは、サンマミールの養魚飼料原料としての有効性について御報告しました。
今回は、第2弾としまして、カタクチイワシ原料として新しい製造方法で作ったミールの有効性について試験を行いましたのでその結果をご報告いたします。
皆さんもよくご存じのカタクチイワシは、宮崎県内では丸干しや煮干しなど加工品としてよく利用されております。全国的には加工品の製造に適した脂質含量の低い魚体(一般的に脂質含量3%以下)がまとまって漁獲される所が少ないことから、多くがそのまま凍結されて、養殖用の餌料として利用されています。
また、既存のミール工場で生産するには、大量の原料魚を必要とするため、カタクチイワシを原料としたミールの生産量も多くありません。
そこで、少量の原料でも動かせる、「エクストルーダー*」という機械でつくったカタクチイワシのミール(以下、エクストルーダーミール)の養魚飼料原料としての有効性について検討しました。
*エクストルーダー:粉砕、混合、混練、加熱、加圧、殺菌、冷却、脱水、押出し、成形など、いくつかの機能を短時間に同時に行える機械で、開発された当初は「夢の食品加工機械」とまで言われておりました。現在では、食品加工のほかに、養魚飼料のEP飼料やペットフードなどの製造にも使用されています。サクサクとした食感のスナック菓子や朝食シリアルなどはこの機械で作られています。
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