海幸彦
海幸彦インタビュー

■段取りのよさ、手際のよさ

「あげみ」の材料は、アジやイワシに加え、シイラ、ハモなど、その日獲れた魚を加えることもある。
ていねいに内臓や皮を取り、ミンチにして、砂糖や酒など調味料を混ぜてミキサーにかける。小骨も全く触らないほどなめらかな生地ができたら、成形して油の中へ。見る間にふっくらと揚がっていく。
段取りよく使った器具はすぐきれいにしながら、次の作業にかかる手際の良さ。そのチームワークもお見事。

■揚げたては、また格別

揚げたてを「はい」と渡された。
実演販売に行った時は、こうやって紙袋に入れて揚げたてを食べてもらうのだという。
あつあつの「あげみ」は格別。これ食べたらファンが増えるはず。
「道の駅北浦は第1、3日曜、ほかにAコープとか、「揚げに来て」と喜ばれますよ」
延岡市にフライヤーを1台置いて、実演販売の依頼に対応しているという。
「こんなおいしいものをどこの家でも作ってるんですか」と思わず聞くと、「魚だけは新鮮なのがたくさんあるからね。昔はすり鉢ですって作ってたものよ。この味は私たちがみんなで決めたあげみ工房ならではの味ですよ」と濱田さん。

■販路を確保して量を増やしたい

現在、延岡市のふるさと市場やAコープなど7店舗に送っているほか、注文やイベントも増え、1日で800枚揚げたこともあるとか。
「もっと売りたいんですよ。でも、添加物を一切使っていないし、遠くまで配送するには運賃もかかる。単価は上げたくないし、配送にいい方法があれば・・」と、島ならではの悩みもある。
平成21年8月に法人化したため、計画的な仕事で経営を成り立たせたいという思いも一層強くなった。「若い人に早くバトンタッチしたい」と濱田さん。

平成20年には、海草の「アカモク」を入れた「アカモクあげみ」も作って好評だった。アカモクは島浦町漁協が試験栽培したもので、アカモク入りのあげみは新たな島の名物として期待されている。

あげみ工房しまのうら
延岡市島浦町833-105
TEL.0982-43-1287

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