水産試験場
[カタクチイワシ]
経過(2010年1〜6月)
◆まき網による漁獲量は4,407トンの前年比408%,平年比251%で、3月下旬から大型成魚群が来遊し(来遊予測を2月に関係者へFAX)、3-4月は好漁となったが、5-6月は低調に推移した。
◆日向灘南部大型定置網の4-6月の漁獲量(雑魚の魚種組成調査によるカタクチの割合から推定)は28トンで前年比370%、その6割は大型成魚群であると推定された。
◆漁獲サイズは、3-4月のまき網では被鱗体長12-14cm、定置網でも12cm以上が主体となり、7-10cmの群れ(日向灘・周辺の沿岸発生群)もみられた。6月の北部海域のまき網では8-10cm(日向灘・周辺の沿岸発生群)が主体であった。
予測(2010年8月〜12月)
◆北薩〜紀伊水道外域(まき網,定置網)
◆来遊量:北薩・薩南では前年を上回る。日向灘では好漁の前年を下回る。豊後水道南部西側では前年並か下回る。豊後水道南部東側では前年を上回る。土佐湾から紀伊水道外域ではまとまった漁獲がない。
◆漁期:全期間。
◆魚体:10〜13cm の1 歳魚および9cm 以下の0 歳魚。

[マアジ]
経過(2010年1〜6月)
◆まき網による漁獲量は211トンの前年比40%,平年比24%で、予測どおり低調に推移した。漁獲の主体は年明け1歳魚(漁海況速報)であった。
◆日向灘南部大型定置網(2統)による漁獲量(1統当たりの前年11月〜5月)は60トンで前年比47%、平年比65%であった。漁獲サイズは,例年どおり2月までは尾叉長20cm以上の年明け2歳魚以上が主体となり、3月からは16-19cmの年明け1歳魚が主体となった。
◆日向灘南部の南郷漁協へ水揚げされる定置網のアジ仔は、4-6月で12トン、前年比47%、アジ仔の漁獲量が多かった00-04年平均比19%であった。サイズは例年どおり5-10cmが主体であった。
予測(2010年8月〜12月)
◆北薩〜土佐湾(まき網、定置網)
◆来遊量:北薩〜薩南海域では0 歳魚と1 歳魚が主体で前年並。日向灘では0 歳魚主体で前年を下回る。豊後水道南部西側では0 歳魚主体で前年並の低水準。豊後水道東側並びに土佐湾では、0歳魚と1 歳魚が主体で前年を下回る。
◆魚体:0 歳魚は19cm 以下、1歳魚は19〜25cm、2歳魚は25cm 以上。

[サバ類]
経過(2010年1〜6月)
◆まき網による漁獲量は7,777トンの前年比212%、平年比143%で、で予測どおり好漁となった。
◆4月は尾叉長32-35cmの2007年級(産卵群)主体、漁獲が多かった5-6月は27-29cmモードの2009年級が主体であった。
◆日向灘南部大型定置網に入網した当歳魚の推定漁獲量(雑魚に占める割合から算出)は36トンで前年の22倍であった。当歳魚の漁獲サイズは、3月が8-11cm,4月が8-14cm、5月下旬から6月上旬は15-18cmであった。
予測(2010年8月〜12月)
◆薩南〜豊後水道(まき網,定置網)
◆来遊量:マサバは低水準。ゴマサバ0 歳魚は薩南海域では前年を上回り、豊後水道では前年並〜上回る。1 歳魚は前年を上回る。2 歳魚は前年を下回る。3 歳魚は前年を上回る。4 歳魚以上は少ない。サバ類全体としては前年を上回る。
◆漁期:期を通じて漁獲される。
◆魚体:マサバは混獲程度、ゴマサバが主な漁獲対象となる。薩南海域では31cm 以下(0,1 歳魚)主体。日向灘〜豊後水道では25〜30cm 前後(1 歳魚)主体に20〜25cm(0 歳魚)が混じる。

7月の動き(県関係)
14日 九州各県水産主務課長協議会(福岡市)
14日 第279回内水面漁場管理委員会(宮崎市)
20日 宮崎農林水産統計協会定期総会(宮崎市)
FISHERIES EXPERIMENT