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図5.30分毎の水温時系列(上)及び
黒潮流軸距離(下) |
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図6.30分毎の水温時系列(上)及び
黒潮流軸距離(下) |
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水産試験場では、平成18年度から防水型温度計測ロガーを用いて、北浦湾内の水温連続観測を実施しています。その観測結果から、平成19及び20年度に短日間に2℃以上水温が急上昇する現象が観測されました。
図5は平成19年に観測した30分毎の水温時系列(上)と黒潮流軸距離(下)を表しています。8月1日の午前6時の時点では23.6℃であった水温が17時間後の午後11時には27.9℃にまで上昇し、17時間で水温が4.3℃も上昇しました。この水温の急上昇が観測された数十時間前に都井岬沖の黒潮流軸位置は接岸傾向に転じており、表層水温を示した人工衛星画像(MODIS)から黒潮暖水波及が北浦湾沖まで伸びているのを確認することができます。次に、図6は平成20年に観測した30分毎の水温時系列(上)と黒潮流軸距離(下)を表しています。平成20年度にみられた水温の急上昇は冬期に発生しており、11〜12月にかけて2〜3日間のうちに2〜3℃上昇する現象が4回観測されました。この時期の都井岬沖及び足摺岬沖の黒潮流軸位置は長期間にわたり接岸傾向にありました。以上のことから、北浦湾で発生する水温の急上昇は黒潮暖水波及の影響を受けていると推察され、今後も水温の連続観測を継続することで北浦湾海域で発生する急上昇の要因を明らかにしていきたいと考えています。また、このような水温変動をリアルタイム情報として漁業関係者の方々に提供できるシステムを検討しているところです。 |