水産試験場
[カタクチイワシ]
経過(2009年1〜6月)
◆まき網による漁獲量は1,051トン(前年比107%、平年比29%)。
◆好漁となった5月の610トンのうち461トン(76%)は2008年12月時点で当期の来遊を予測していなかった被鱗体長12cm以上の大羽群であり、沿岸海域発生の資源と考えられる群は前年を下回り予測どおり低調に推移した。特に当該資源の盛期は6-7月であるが、6月の漁獲量は366トン(前年比51%)と低調に推移した。5月に来遊のみられた大羽群は日向灘南部の定置網にも入網し、移動が速く、漁場の南変傾向がみられた。
◆漁獲サイズは、3,4月の定置網で8cm台モード、6月上旬のまき網で8-9cm台モード、下旬で10cm台モード、まき網・定置網の大羽群は12cm台モード。
予測(2009年8月〜12月)
◆北薩〜紀伊水道外域(まき網,定置網)
◆来遊量:北薩・薩南では前年を下回る。日向灘では不漁の前年を上回る。豊後水道(大分県側)で前年を下回る。豊後水道(愛媛県側)では不漁の前年を上回る。土佐湾から紀伊水道外域ではまとまった漁獲がない。
◆漁期:全期間。
◆魚体:10〜12cm の1 歳魚および9cm 以下の0 歳魚。
[マアジ太平洋系群]
経過(2009年1〜6月)
◆まき網による漁獲量は521トン(前年比65%、平年比39%)。
◆まき網による2008年下半期の当歳魚の漁況は低調に推移し、1歳魚主体の漁況となる当期の漁況も予測どおり低調に推移した。比較的漁のまとまった2月(123トン)の尾叉長は18-19cmモード、4月(275トン)が15-16cmモードであった。
◆日向灘南部大型定置網は2月(47トン),4月(67トン)が好漁となり、漁獲サイズは2月が19cmモード,4月が16cmモードであった。
◆定置網の当歳魚(アジ仔)の漁獲サイズは、4月が3-4cmモード、5月が4-5cmモードで例年(5cm以上)よりも小さく、入網が多かった6月は8cmモードの通常サイズであった。
予測(2009年8月〜12月)
◆北薩〜土佐湾(まき網、定置網)
◆来遊量:北薩〜薩南海域では0,1 歳魚とも前年を下回る。日向灘では0 歳魚主体で、不漁であった前年を上回る。豊後水道でも0歳魚主体で、西側では前年並か前年を下回り、東側では前年を下回る。土佐湾では0 歳魚主体で、前年を下回る。
◆魚体:19cm 以下の0 歳魚が主体で,20〜25cm の1 歳魚も漁獲対象となる
[サバ類太平洋系群]
経過(2009年1〜6月)
◆まき網による漁獲量は3,676トン(前年比163%、平年比76%)
◆日向灘では例年期を通じてゴマサバ主体となる。3月末から4月にかけて漁がまとまり、1-6月の93%を占めた。漁獲サイズは、4月は32cmモードで成熟度が高く、5月に1日だけ187トンの水揚げあったときは32-33cmモードで成熟度は低くなっていた(2007年級主体)。直近の卓越年級である2004年級が2歳魚として好漁であった2006年ほどは索餌群(成熟度が低い)の漁獲が多くなかった。また,例年ない特徴として4,5月ともにマサバ(36-39cm主体)の混獲がみられた(尾数で4-8%)。
◆日向灘南部の定置網では、2月が好漁となり平年の35倍(1ヶ統当たり漁獲量)の水揚げがあった。このときの漁獲サイズは31cmモード(08年10月は29cmモードで好漁、11-12月も30-31cmモード)。
◆日向灘南部大型定置網に入網した当歳魚の推定漁獲量(雑魚に占める割合から算出)は1.6トンで前年(35トン)を大きく下回った。当歳魚の漁獲サイズは、5月が9cmモード、6月が16-17cmモード。
予測(2009年8月〜12月)
◆薩南〜豊後水道(まき網、定置網)
◆来遊量:マサバは低水準。ゴマサバ0 歳魚は薩南海域では前年を下回り、日向灘〜豊後水道では上回る。1 歳魚は前年を下回る。2 歳魚は前年を上回る。3 歳以上は少ない。サバ類全体としては前年を下回る。
◆漁期:期を通じて漁獲される。
◆魚体:マサバは混獲程度。ゴマサバが主な漁獲対象となる。薩南海域では30〜36cm (1、2 歳魚)主体。日向灘〜豊後水道では30cm 前後以下(0,1 歳魚)主体に30cm 以上(2 歳魚)が混じる。
7月の動き(県関係)
2日 第60回宮崎県漁港漁場協会通常総会(宮崎市)
23日 平成21年度宮崎農林水産統計協会定期総会(宮崎市)
24日 海区漁業調整委員会(宮崎市)
FISHERIES EXPERIMENT