水産試験場
平成19年下半期の長期漁海況予報について ―資源部―
回は、平成19年7月24〜25日に開催された太平洋イワシ・アジ・サバ等長期漁海況予報会議の結果について紹介します。

【海況】

予測(平成19年8〜12月)

[黒潮]
◆薩南海域の黒潮北縁は、屋久島南付近での変動が多く、11月に接岸傾向となる(予報会議予測)。
◆黒潮は、期間を通して都井岬沖〜足摺岬沖では接岸傾向、室戸岬沖〜潮岬沖では離岸傾向で推移する(予報会議予測)。
◆都井岬南東沖における黒潮流軸は、概ね「やや離岸」〜「かなり離岸」で変動する(宮崎水試予測)。
[沿岸域]
◆潮岬以西では、黒潮の離接岸に伴って沿岸域へ一時的に暖水が波及することがある(予報会議予測)。
[沿岸水温]
◆潮岬以西は「平年並み」〜「高め」で推移する(予報会議予測)。
◆日向灘は「平年並み」〜「やや高め」で推移する(宮崎水試予測)。

経過(平成19年4〜6月)

[黒潮](都井岬南東沖)
◆4月初めは30マイル台の「やや離岸」であったが、徐々に離岸傾向になり、5月初旬は「著しく離岸」で推移した。5月下旬には一時的に「やや離岸」となったが、6月初旬に70マイル台の「著しく離岸」となった。その後接岸傾向に転じ、6月下旬には30マイル前後の「やや離岸」、一時的に「かなり離岸」となるが、7月中旬まで「接岸」から「やや離岸」で推移した。
[沿岸水温]
◆沿岸海洋観測における日向灘の水温は、4月には「著しく高め」その後5月〜6月には「平年並み」、7月は「やや低め」で推移した。水深ごとに見ると、0mが4月は「かなり高め」、50mが4月は「著しく高め」、6月と7月が「やや低め」、100mが4月「著しく高め」、7月が「やや低め」でそれ以外は「平年並み」で推移した。

【漁況】

[マイワシ太平洋系群]

予測(平成19年8〜12月) 北薩〜熊野灘
◆来遊量
 依然として低水準であるが、北薩〜紀伊水道外域西部では前年を上回る。紀伊水道外域東部〜熊野灘では引き続き低水準で推移する。
◆漁期・漁場
 期を通じて散発的ではあるが、0歳魚主体で漁況がまとまる可能性がある。
◆魚体
 0歳魚(12〜17cm)主体で、1歳魚(18〜19cm)も漁獲対象になる。
FISHERIES EXPERIMENT