水産試験場
2014年上半期の長期漁海況予報について -資源部-
回は、平成25年12月18〜19日に水産総合研究センター中央水産研究所(横浜市)で開催されました太平洋イワシ・アジ・サバ類長期漁海況予報会議での平成26年度上半期の漁海況予報結果について紹介します。

【海況】

経過(2013年7〜12月)
[黒潮] ◆都井岬沖の黒潮流軸(海上保安庁海洋情報部)は、7〜12月まで「接岸傾向」で推移した。
[沿岸水温] ◆沿岸海洋観測による日向灘の水温(0m、50m、100m層より判断)は、平年値(1972〜2011年年度平均)と比べて、7〜9月に「やや低め」、10〜11月に「平年並み」、12月に「著しく低め」で推移した。
予測(2014年1月〜6月)
[黒潮]

◆都井岬沖の黒潮流軸は、「接岸傾向」で推移するが、小蛇行の形成により1月と3月に一時的に離岸する見込み。

[沿岸水温] ◆日向灘の水温は、期間を通して「平年並」〜「低め」で推移する見込み。

【漁況】

[マイワシ]

経過(2013年8〜11月)
◆2006年以降のまき網は0歳魚主体に6〜7月が盛漁期となるが、2013年6〜7月は例年と異なり被鱗体長18cmにモードが見られ、7月には1,935トンと1995年以降最高の漁獲量となった。8月以降は0歳魚主体の漁となり、8、9月は平年を上回る漁獲となった(図1、2)。
予測(2014年1月〜6月)
◆漁獲対象年級群及び体長は、1〜5月は18〜19cmの推定1歳魚以上、6月は0歳魚が主体となる。
漁獲量(来遊水準)は、前年(246トン 平年比48%)並か下回ると予想される。

[ 図1 主要まき網のマイワシ漁獲量経年変化 ]

[ 図2 主要まき網のマイワシ漁獲量経月変化 ]

[ウルメイワシ]

経過(2013年8〜11月)
◆まき網の漁獲量は、7〜8月は0歳魚主体に平年を大きく上回る好漁となり、10月には平年を下回った。例年0歳魚が多獲される6〜11月の漁獲量は前年比97%、平年比147%で、全体としては豊漁であった前年並みの漁況となった(図3、4)。

[ 図3 主要まき網のウルメイワシ漁獲量経年変化 ]
FISHERIES EXPERIMENT