水産試験場
「みやざき丸」情報についてー研究企画ー

今回は、みやざき丸の業務について紹介します。
水産試験場では、みやざき丸により、高度漁海況情報や衛星情報を活用した漁場予測システムの精度向上と、カツオの資源生態の研究等に取り組んでいます。
特に今年は東日本大震災に伴う原発事故と放射能汚染への不安による水産物の風評被害への対応として、本県近海かつお一本釣り船の水揚げする水産物の安全性のPRに一役買った他、気仙沼復興イベント”宮・宮の絆イベント 〜帰っきたど&待ってだでば〜 に参加し、水産関係者をはじめとする宮崎県民の被災地に寄せる熱い思いを伝えることができました。
1.本県近海かつお一本釣り船の水揚げする水産物の安全性のPR
漁場予測システムの精度向上のための漁場探索調査を行う傍ら、(独)水産総合研究センター中央水産研究所が水産物に含まれる放射性物質を分析するのに併せ、分析試料のサンプリング提供を実施しました。サンプリングの実施海域については、その目的上、北緯37度ラインを意識しつつ、業界船の動きを睨みながら、魚群北上の先端付近で行うことを基本方針として行いました。
サンプリングは、第1回目の平成23年5月17日の千葉県沖(34°07′N,142°21′E付近)から第5回目の平成23年6月29日の福島県沖(37°21′N,149°42′E付近)まで総計5回実施しました(日付が同一の場合1回とカウント)。
結果は、第1回目のビンナガ3尾中1尾と第5回目のカツオからセシウムが検出されましたが、その値はそれぞれ10ベクレル、6ベクレルと暫定基準値の500ベクレルに比べて非常に微量であり、サンプリングの目的である食品としての安全性を確認することができました。
2.気仙沼復興イベント”宮・宮の絆イベント 〜帰っきたど&待っでだでば〜 
第一部の「かつお水揚げ式」、第二部の「元気水揚げ」の二部構成で、これまでの本県かつお・まぐろ漁業への貢献に対する感謝の気持ちと被災へのお見舞い、復興への応援の気持ちを伝えるべく、本県の行政・業界の関係者約60名及び宮城県の関係者60名の合計約110名が参加した標記イベントにみやざき丸も参加しました。
みやざき丸は、第一部の「かつお水揚げ式」では業界船の代表船の役割を果たした他、第二部の「元気水揚げ」では県産品の炊き出しや贈呈のお手伝いに大きな役割を果たすことができました。
現在、気仙沼漁港は、本県船の水揚げもある程度は回復しつつありますが、特に餌の供給などは不十分な状態が続いております。現地の加工施設も含めた水揚げ体制の復興や餌をはじめとする操業支援体制の一日も早い復興を祈念すると同時に、みやざき丸は、かつお一本釣り漁業をはじめ、漁業現場の第一線で本県漁業の振興に尽力してまいりますので、今後とも、関係者のご支援、ご協力をよろしくお願いします。
「がんばろう 宮城!」「がんばろう 宮崎!」「がんばろう 東北!」「がんばろう 日本!」

当日の様子はコチラ
「リッテルボヤのリッテルはどんな意味ですか?」−副場長兼研究企画主幹・田原−
去る8月30日、いきいき宮崎のさかなブランド確立推進協議会の委員会でリッテルボヤの試食をさせていただきました。マボヤに比べて、えぐみがなく、癖のない、心持ち甘みを感じさせる懐かしい味でした。
私が、リッテルボヤを知ったのは、かれこれ10年ほど前、(財)水産振興協会の事務局長として、延岡市に単身赴任をしていたときでした。当時の延岡市漁業協同組合の岩切組合長(故人)が熱心に取り組んでおられ、浦城支所で試食をさせていただいたのを思い出し、懐かしく感じるとともに、ようやく、ブランドの話を進められるような生産・販売体制が確立できたのかと感慨深いものがありました。 表題の言葉は、その試食の時に現組合長の谷口組合長から、突然、尋ねられた言葉です。
その時は、はて…”だいたい魚類などの学名や和名は分類したその人の名前がついたりするものだよな・…”とは思いながら、まったくその辺りを承知していない私としては、いい加減なことも言えず、”調べておきます”としか答えられませんでした。
その後、水産試験場に戻り、インターネットや図鑑を開いて調べてみました。繰り返しになりますが、そもそも、学名などは研究者の名前がつくことが多いのですが、リッテルで検索しますと、明治にドイツから先生として招かれた東大の教授の名前にリッテルさんがいるではありませんか。これは怪しい、何か関係があるのではと思ったのですが、どうにもホヤに結びつく確かな証拠は見つかりませんでした。 一方、
FISHERIES EXPERIMENT