水産試験場
図5は、水槽に投入した付着基盤15連、各連12個基盤区分のそれぞれの付着個数分布を表しています。右側が今回間欠式エアレーションを施した付着結果ですが、左側の連続エアの従来型に比べて、ばらつきが小さく見えるかと思います。統計的にも左側の連続エアに比べてばらつきが小さいと判定され、間欠エアレーションを行うことで付着のばらつきを抑える効果があることが判りました。
しかし、それでも個別にみると満足いくものではなく、さらなるエアレーション・水流調整の他、付着後も剥離しやすいなど密度調整ができる付着基質の検討が必要と思われました。

まとめ

以上のような生産方法の改良などの結果、平成24年度は最終的な種苗生産個数を23年度の約15,000個から20,000個へ増加させることができました(図6)。
図6 ホタテ貝殻に付着した稚貝(左図:黒点)と沖だし飼育約3か月後の稚貝(右図)
人工種苗生産はいくつかの工程がつながり最終的な生産にたどり着きます。どこかの工程で1つでも生育条件等が合わなければ、その程度により幼生数が減少、更には全滅することもあります。現在は親貝の選択基準、卵・精子及び幼生の取り扱い方法、飼育条件(餌料、水温、室温、水質)等が不明確な部分があり、安定的な種苗生産を行うためにはこれらの条件を明らかにするとともに、飼育機材、作業方法の改良も行っていく必要があると考えています。
10月の動き
8日 第3回宮崎県資源評価委員会(宮崎市)
26日〜27日 第33回全国豊かな海づくり大会くまもと(熊本市)
28日 第367回海区漁業調整委員会(宮崎市)
FISHERIES EXPERIMENT