水産試験場
マダイとヒラメの放流効果について-増殖部-
「放流してん、どうせ大分やら鹿児島やらに行くっちゃろう」「こら餌じゃが」
本県では、おおよそ半世紀にわたり、マダイやヒラメの種苗放流を行っていますが、放流現場では、未だにこのような言葉を耳にします。
果たして、放流したマダイやヒラメは帰ってきているのでしょうか?

@宮崎県で漁獲されたマダイ、ヒラメのうち、どのくらいが放流魚なのか

これを「混獲率」と呼んでいます。
混獲率は、マダイが平均9%(3〜12%)、ヒラメが平均15%(10〜26%)です(図1、図2)。言い換えると、マダイ10尾のうち1尾が、ヒラメ7尾のうち1尾が放流魚ということになります。案外多いと思いませんか。

A宮崎県で放流したマダイ、ヒラメのうち、どのくらいが漁獲回収されているのか

これを「回収率」と呼んでいます。
回収率は、マダイで平均2.4%(1〜7%)、ヒラメで平均3.1%(2〜4%)です(図3、図4)。言い換えると、マダイ10万尾を放流すると放流後7年間で2400尾が回収され、ヒラメ10万尾を放流すると放流後9年間で3100尾が回収されるということになります。参考までに、近年の放流尾数はマダイが約10万尾、ヒラメが30〜40万尾です。
FISHERIES EXPERIMENT