海幸彦
海幸彦インタビュー

■健康な魚を育てる工夫を紹介してください。

例えば、エサも冷凍生エサに配合飼料、サプリメントを混ぜて粒状にした上質のモイストペレットを使います。病気が出ると薬を使わなくてはならないので、サプリメントを使いながら病気にさせないようにします。またモイストペレットは生エサに比べて環境への負荷が少ないんです。きれいな水も健康に育てる条件ですし、海を守ることも私たちの使命です。 それから、カンパチは泳ぐ速度が遅いので、ハダムシなど皮膚に寄生虫が付くことがあります。この駆除には真水を使います。大きな水槽で数分間泳がせると、寄生虫を駆除することができるんです。大変な作業ですが、1日に15台(4000〜5000尾×15台)ぐらいやりますよ。
薬は主に稚魚の時に使います。その場合も、規定より遙かに長い休薬期間を設け、出荷前は100〜250日以上薬を使わないようにしています。これは私たちのモラルだと考えます。

■カンパチといえば刺身ですが、新しい食べ方も提案されているそうですね。

3〜4kg程度のサイズが揃った養殖カンパチは、飲食店などから刺身として味が良く、大変使いやすいと好評をいただいています。
やはり刺身がおいしいので、生を食べてもらいたいのはもちろんですが、新しい食べ方も少しずつ開発中なんです。
当社では干物や、桜チップを使って旨味を引き立てた燻製「火照燻(ほでりくん)」、スモークサーモンのような「火照冷燻かんぱち」などを作っています。

これからの意気込みをお願いします。

串間の漁場は宮崎県の漁場ランクで最高のAランク。このきれいな海を守って、魚の気持ちになって健康なカンパチを育てる。このこだわりを貫きながら、食べて感動してもらえる「丸栄水産のカンパチ」を提供したいと日々努力しています。
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