水産試験場

Eご提案

話は変わりますが、資源解析をするためには「1年間に●歳が●尾とれた」という情報が必要です。なぜなら、「年間●トンのマダイが漁獲された」という情報だけでは、日向灘のマダイ資源量を推定することもできませんし、いつから減りだしたか、増えだしたかという動向も曖昧なままです。そうなると、増減動向に何が影響を与えているのか、といったこともわかりません。「●歳が●尾」情報があればいろいろなことがわかります。 ここでご紹介したいのが、日向市漁協と川南町漁協のやり方です。この2つの漁協では、なんと水揚げされた全てのマダイ・ヒラメの年齢と尾数が把握できるのです!やりかたは次のとおりです。

【日向市漁協方式】

(1)計量の時に漁協職員が尾数を数える
(2)魚の上に貼るメモ紙に尾数も書く
(3)伝票にも尾数を書く
(4)電算処理後、該当魚種データだけを外部出力し、これに尾数を入力する
===ここまでが漁協のお仕事===
(5)水試で個体別体重から年齢を推定する
(6)「●歳が●尾」情報の完成

【川南町漁協方式】

(1)あらかじめ、魚種別に銘柄別体重階級を決めておく(100g以下はマメ、100〜300gは小・・・)
(2)漁獲物を銘柄別に分けて計量
(3)伝票に銘柄も記録する
(4)電算処理
===ここまでが漁協のお仕事===
(5)水試で伝票をめくりながら銘柄別重量を集計
(6)銘柄別重量をその銘柄の平均体重で除して尾数を推定
(7)平均体重から年齢を推定
(8)「●歳が●尾」情報の完成

「この魚が減ってしまったから何とかして欲しい」という場合に、「●歳が●尾」情報がないと、その時点から市場調査を始めて情報を貯めていかねばなりません。しかし、「●歳が●尾」情報があれば、迅速に原因究明に取りかかることができます。転ばぬ先の杖として、この方法を取り入れて頂くことを強くオススメします。

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