水産試験場
養殖マサバ非破壊脂質測定について
はじめに
ーパーでよく見かけるアジ、サバ、イワシ・・・日本全国で多く漁獲されるポピュラーな魚達です。もちろん、宮崎でも多く漁獲されます。では、宮崎産のアジ、サバ、イワシを買ってもらうには、どうすればいいのでしょうか。
方法の一つとして、他産地との差別化を図る方法があります。魚の品質をある程度そろえることでブランド化したり、漁獲時の取扱いを丁寧にすることで、高鮮度の魚を作ったりすることが、他産地よりも良い魚を作ることになり、魚価が上がるという結果がついてきます。
水産試験場では、魚価向上を目的に、脂の乗りに着目し、魚の脂質含量を非破壊的に測定する技術開発に取り組んでいます。魚類は、脂の乗った時期が旬とされることから、脂の乗り具合で美味しさが判断されることが多いからです。
今回は、現在取り組んでいる養殖マサバの脂質測定について紹介します。

図1 近赤外分光分析器
(FQA-NIR GUN)

図2 測定方法

養殖マサバの脂質量の変化
非破壊脂質測定とは、魚を傷めることなく魚の脂質含量を測る試みです。つまり、水揚げ時に脂質を測定し、その魚をそのまま市場出荷できます。これは、近赤外分光分析器という機器(図1、2)を用いて行います。センサー部分を魚体に当て、スイッチを押すだけで脂質含量がわかるという便利な機器です。ただし、機器内部に脂質データを入力する必要があります。そこで、養殖マサバの魚肉総脂質の周年変化を調べました(図3)。


図3 養殖マサバの総脂質の周年変化

FISHERIES EXPERIMENT