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平成24年4月から平成25年3月に分析した養殖マサバの総脂質は、4月の32.3%をピークに徐々に減少し、10月の18.4%まで減少した後、再び増加しました。脂が多かったのは、春先の2月〜5月くらいでした。
次に、養殖マサバの体重と成熟度指数を調べました(図4)。
図4 養殖マサバの体重及び成熟度指数(GSI)の周年変化
養殖マサバは出荷の際に400〜500g前後にサイズをそろえて出荷されるため、体重のばらつきはあまりありませんでした。成熟度指数(GSI=生殖腺重量(g)/体重100)とは、体重当たりに占める生殖腺の割合を示しており、産卵期の推定等に使われています。
成熟度指数は、オスは5/22、メスは5/15の10%前後をピークに減少し、8月〜10月に最も低くなり、2月くらいから上昇しました。このことから、マサバの産卵期は3月〜5月くらいと推測しました。
成熟度指数の増減は総脂質の増減と類似しており、産卵期には脂乗りが良いことがわかりました。
産卵期のマサバが脂が乗っていることが分かりましたが、では、外見から分かるのでしょうか。肥満度と総脂質を示します(図5)。
図5 肥満度と総脂質の周年変化
肥満度については、夏場にやや低くなりましたが、15〜20%の間を推移しており、ほぼ同じです。一方、脂質含量は4月をピークに徐々に少なくなり、10月に最低となり、再び増加しました。 夏期は水温が高く、疾病対策のため、餌の量を控えていることから、肥満度が低い魚が出荷されておりますが、養殖マサバの脂質含量の増減は、肥満度(見た目)に影響しにくいことが推測されました。つまり、見た目では脂の乗りは判断しにくいということです。
近赤外分光分析による脂質測定検討
ここで、近赤外分光分析器の出番です。この機器の一番のメリットは、「現場ですぐに値が分かる」ことです。これまでは、脂の乗りを測るのにサンプリングして水産試験場に持ち帰り、化学分析を行っていました。しかし、これでは時間がかかります。
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No.644 2013.6.1発行
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