水産試験場

B生物利用部 主任研究員 永友 聖代

課題名 魚価アップ大作戦!!! 〜シイラの鮮度保持マニュアルについて〜
概要 シイラは、魚体が大きく、夏季に大量に漁獲されるため低温管理がしにくいことから高鮮度を保ちにくく、鮮度落ちが早いと言われており、市場では安値で取引されています。
そこで、シイラの鮮度保持技術を開発することで、シイラの高鮮度化と魚価の向上を図ることを目的に試験を行い、シイラの鮮度保持マニュアルを作成しましたので紹介します。

シイラ鮮度保持マニュアルの記載項目等

区分 マニュアルに示した取扱いの要点(抜粋)
シイラの特徴 ・10kg以上に成長し、魚体は細長く側扁している。
・夏季に大量水揚され、その中に「水マンタ」と呼ばれる品質の悪いものが見られる。
水マンタの発生要因

・漁獲時のストレスによるもの。
・産卵期によるもの。

水揚げ時の取扱い ・漁獲ストレスはかけない
・漁獲後はすぐに冷やすこと(10℃以下まで)。
箱詰め・輸送保管 ・pHを6.0以上に保つ。
・雄と雌をより分けて出荷する。

C増殖部 特別研究員兼増殖部副部長 大山 剛

課題名 「海のミルク」岩牡蠣養殖へ1歩、2歩!!
〜イワガキ種苗生産及び育成試験について〜

育成試験イワガキ例(3年貝)

むき身例
概要 イワガキは、マガキと違い、夏場でも美味しくいただけ、「夏ガキ」とも言 われている外洋性のカキです。海中の懸濁物やプランクトンを餌にし、無給餌で育成できることから、水産試験場では、現在沿岸養殖のメインである魚類養殖と組み合わせて、環境に配慮しながら副業的収入を得る手段となるのではないかと考え、平成21年度から種苗生産技術開発と育成試験に取り組んでいます。
今回は、これまでに得られた知見や研究の現状について報告します。
記載順は、発表順番と異なることがあります。
研究員は、日頃の成果を皆様方にご披露できる晴れの舞台と考え、張り切り、楽しみにしておりますので、多くの方々にご来場、ご意見をいただき、有意義な発表会になること期待しているところです。

最後に、水産試験場では、毎年、前年度に終了した課題を中心とした試験研究の成果が、現場で求められている成果となっているかどうかの評価と、次年度の新規予定課題について、生産者(漁業士会、漁村女性部連絡協議会の各代表)と、消費者、関連業界関係者、関係機関・団体関係者、学識経験者で構成されます宮崎県農政水産部試験研究評価検討委員会において審査を頂いております。
本年度は、7月12日に開催された委員会において、研究成果については、平成23年度に終了しました9課題につきまして、「ねらいどおりの成果があり活用が期待できるもの」8課題、「現段階では活用できないが継続することで期待できる等」1課題と評価されるとともに、平成25年度新規予定課題については、次の6つの新規課題の設定が適当であるとされたところです。
@日向灘におけるブリの来遊予測技術の開発
A藻場造成のためのヤセウニ有効利用技術開発
B植食性魚類の食害を克服する藻場造成技術の開発
C県内特産柑橘類の有効利用による海産養殖魚の品質向上技術開発
D新たな加工原料の創出技術の開発
E養成ウナギの成熟環境条件の究明

今後も、漁業者の皆様方をはじめ、関係者の皆様方からの御意見等により、適切な研究ニーズの把握に努め、現場で真に必要とされる成果が得られるよう努力して参りますので、関係者の皆様のご支援、ご協力をよろしくお願いいたします。
11月の動き(県関係)
14日 資源管理協議会定例会(宮崎市)
17〜18日 全国豊かな海づくり大会(沖縄)
19日 太平洋広域漁業調整委員会(東京)
22日 儲かる漁業実現PJ推進協議会(宮崎市)
26日 第359回海区漁業調整委員会(宮崎市)
FISHERIES EXPERIMENT