資源回復計画とは?

資源回復計画とは

カサゴ

緊急に資源の回復を図ることが必要な魚種を対象とし、減船、休漁等を含む漁獲努力量の削減をはじめ、積極的な資源培養、漁場環境の保全等を内容とする計画であり、対象魚種の分布範囲により国又は都道府県が作成主体となっています。

回復計画の目標

漁獲努力量の削減を伴う資源回復措置は、漁業経営に配慮するため、資源の回復状況に応じて段階的に実施することとした。まず、平成17年度から平成21年度までの5ヶ年を計画として、現状程度の漁獲量の維持を目標に設定し、資源回復措置を行った結果、目標は達成するとともに、資源量も増加した。
今後も、引き続き現行の資源回復措置を継続し、カサゴの漁獲量が良好であった平成10年〜12年当時の漁獲量の水準(約30トン)まで増加させることとし、そのために増加傾向にある平成21年度の資源量(160トン)を基準として、今後、更に30%程度(約210トン)回復させることを目標とする。
今回、設定した目標値は、計画終了後の平成27年以降、漁業者主体の資源管理措置に移行しても、小型魚の保護、主産仔期の操業自粛等の継続により、資源の再生産に影響を与えることなく、30トン台/年の漁獲量を維持出来る資源水準である。
下記の措置を行った場合のシミュレーションを実施した結果、平成26年度には目標資源量を達成できるものと予測される。ただし、資源のシミュレーションの精度は直近のデータに影響を受けやすいため、毎年の資源状況を精査しながら、適正な資源診断を実施していくものとする。

資源回復のために講じる措置と実施期間

(1) 漁獲努力量の削減措置

今後も、現行の取組内容を一部変更した上で、削減措置を継続していくものとする。また、計画の目標達成後は、漁業者主体の資源管理体制に移行することを検討している。

漁業種類 項目 削減措置の内容
かさご延縄漁業 禁漁期の設定 10月1日〜4月14日
漁獲量の管理 地区別の漁獲量の上限を設定
全漁業 小型魚の再放流 全長18cm以下
禁漁区の設定 稚魚放流区域を2年間
(但し、禁漁期間は放流した翌年1〜12月の2年間とする)

(2) 資源の積極的培養措置

増加傾向にある資源の下支えのために、引き続き平成22年度からの5年間は、県下全域に合計30万尾程度のカサゴ稚魚を放流し、積極的培養を図る。また、(1)にも掲げるとおり、放流後はその効果を高めるため、放流場所は放流後2年間を禁漁とする。さらに資源の増大と併せて、漁業者自らがその効果を把握できるような取組みを検討する。

(3) 漁場環境の保全措置

一部の漁協では、カサゴ資源を含めた水産動植物の成育の場である藻場造成に取り組んでおり、今後、更なる取組の拡充を行うこととする。また、未実施の漁協でも漁業者、行政等と連携を図り、藻場や干潟の漁場環境の改善に係る取組みを行うこととする。