羽江さんは幼い頃、父親に連れられて有明海へ釣りに行って以来、ずっと漁師への憧れを抱いていたといいます。周囲の勧めで水産高校ではなく普通科の高校へ進み、さらには大学・大学院へと進学した羽江さん。その後、就職してからも趣味である釣りには毎週のように出掛けていましたが、“漁師になる”という幼い頃の夢は、年を重ねる度に遠ざかっていくように感じていたそうです。そんなある日、たまたま覗いたこのホームページで、漁業の体験研修が宮崎県で行われていることを知り、再び漁師への夢が抑えきれなくなった羽江さんは研修への参加を決意します。
羽江さんにとって研修は、とにかく楽しくてしょうがなかった様子で、船酔いの心配もなく漁に夢中になっていたそうです。研修の時期が年末ということもあり、網替えや網洗いなど漁以外の仕事も多かったのですが、「様々な体験ができたので、この時期に研修に参加したのは正解だった」と羽江さんはいいます。また、東水産の皆さんとも積極的にコミュニケーションを取っていた羽江さんはすぐに打ち解け、仕事面に関しても「源ちゃんは勘がいい」「お前なら漁師になれるよ」との評価をもらっていました。
研修を終えた羽江さんに聞くと、既に漁師を目指そうという決心は固まっているようです。東水産で受け入れを行っている、インドネシアから来た実習生・研修生たちの熱心に働く姿を見て、「私も中途半端な気持ちで臨んではいけませんね」と涙声で語ってくれたことからも、羽江さんの真剣さは充分に窺えました。 |