新
年あけましておめでとうございます。
平成30年新春を迎えるに当たり、所感の一端を申し述べ、年頭の御挨拶とさせていただきます。
昨年7月に水産庁長官を拝命いたしましたが、昨年は、サンマ・マサバの北太平洋公海における外国漁船による大量漁獲の問題、大和堆周辺における外国漁船の違法操業問題、北朝鮮によるミサイル発射など、外国関係の話題が多くある年となりました。また、昨年は5年ぶりに水産基本計画が改定された年でもありました。
今年は、引き続き諸課題への対応を行うとともに、新たな水産基本計画に基づき、漁業の成長産業化、資源管理の高度化などに向けて様々な施策を本格的に実施してまいります。
サンマ・マサバの北太平洋公海における中国・台湾等による大量漁獲の問題については、昨年7月に札幌で開催された北太平洋漁業委員会(NPFC)において、我が国提案に基づいて、中国・台湾などを対象とした許可隻数の増加禁止措置等について合意することができました。他方で、今年の年次会合において再度議論することとなった事項もあり、引き続き、粘り強く交渉をしてまいります。
太平洋クロマグロ小型魚の沿岸での過剰漁獲については、関係者の皆様の協力を得ながら、TACの導入等による資源管理の推進と混獲防止の取組や休漁等への支援を行ってまいります。
昨年12月上旬までフィリピンで開催されていた中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)においては、太平洋クロマグロについては「北小委員会」で作成された保存管理措置案が全会一致で採択されるとともに、メバチ・キハダ・カツオについても我が国の主張により保存管理措置の来年1年間の暫定措置が合意されました。
大和堆周辺における外国漁船の違法操業問題については、我が国周辺水域の水産資源の保存管理と操業秩序を維持するため、海上保安庁等と連携して対応してまいりました。今年も、関係省庁と連携するとともに、水産庁としては新たに長官を本部長とする漁業取締本部を立ち上げて適切な対応をとってまいります。
北朝鮮によるミサイル発射に対しては、我が国の漁船の安全確保を図るため、ミサイル発射後の漁船等への連絡体制や安否確認が適切になされるよう取り組んでまいりました。今年も、更なる連絡の迅速化を図りつつ引き続き緊張感を持って対応してまいります。
これらの対応に加えて、新たな水産基本計画に基づき、漁業の成長産業化、資源管理の高度化などに向けて様々な施策を本格的に実施してまいります。
まず、「漁業の成長産業化」に向けて必要な施策を展開します。各浜が持つ強みを最大限活用し、漁業所得の向上を実現するため、漁業経営の持続力・収益力向上に向けた意欲ある漁業者の取組や、多様なニーズに即した加工・流通体制の構築を支援します。
次に、「資源管理の高度化」を図るため、資源管理目標の設定等に向けたより一層の情報収集や資源評価の精度向上に向けた資源調査・研究の充実を図ります。また、新たな資源管理手法の実証調査を実施するとともに、資源管理計画の評価・検証の結果を踏まえて、より高度かつ効果的な資源管理措置の導入に向けた取組を支援します。
また、「水産多面的機能の発揮対策と離島漁業の再生支援」として、漁業者等が行う水産業・漁村の多面的機能を発揮するための活動を支援するとともに、離島の漁業再生活動を支援してまいります。また、特定有人国境離島地域において、雇用機会の拡充を図るための取組を支援します。
さらに、「捕鯨対策」として、妨害活動対策を含めた鯨類科学調査の安定的な実施、持続的利用に向けた関係国との連携強化の支援とともに、調査母船のあり方を含めた我が国の目指すべき捕鯨の姿について検討します。
最後に、「水産基盤整備事業」を着実に実施し、消費・輸出の拡大に向けた漁港における集出荷機能の集約・強化や衛生管理対策など安全で安定した水産物の供給体制の確立、漁港施設の防災・減災対策を推進します。
以上、年頭に当たり、本年の取組の方針の一端を述べさせていただきました。今年も、現場の皆様のご意見を伺いながら、水産業の持続的な発展に向けて最大限努力してまいりますので、引き続き、皆様方の御理解と御協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
最後に、皆様方の御健勝と御活躍を祈念申し上げまして、私の新年の御挨拶とさせていただきます。 |