アマダイの資源レベルは、漁獲量の9割がその他の延縄で漁獲されていることから、その他の延縄のCPUE(漁獲量/出漁日数)を資源量指標値として、資源評価委員会の資源評価のルールにより四分位法(資源量指標値のうち、上位の四分の一を超える値を高位、下位四分の一を下回る指標値を低位、その中間を中位とする)で判断しています(図2)。2016年の資源レベルは若干上がり中位となりました。また、資源動向は直近5年間の資源量指標値の回帰直線の傾きで判断しますが、同じく委員会のルールにより、2016年は横ばいとなりました。資源レベル「中位」・資源動向「横ばい」が直近の資源評価となりますが、もう少しアマダイ資源の状況を見てみます。図3は1989年から2013年までのアマダイの親魚量とその親魚量に対する1歳魚尾数、そして親魚が再生産に寄与する割合(1歳魚尾数を親魚量で割った値)である再生産成功率の推移を示しています。
親魚量と1歳魚尾数は2003年あたりまでかなりのスピードで減少し、その後、親魚量は緩やかな減少の後から2009年以降は横ばいから微増、1歳魚尾数は緩やかな減少の後から2011年以降増加に転じています。再生産成功率は横ばいの状況から2003年以降は増加傾向にあり、2009年からは資源量が豊かだった1991年の値を上回っています。このことは子供の生き残りに好適な環境に変化している可能性が考えられ、このような転換期を見逃さず資源管理を行えば、最も効果的に資源を回復させることが可能となると考えられます。昨年スタートしたアマダイの資源回復計画は絶好の機会を捉えたスタートだったと考えられます。 |