水産試験場
アカアマダイの資源評価と標識種苗放流 −資源部−

はじめに

向灘沿岸で漁獲されるアマダイ類の漁獲量は1989年の246トンをピークに減少し、平成2015年は13トンとピーク時の1割にも満たない状況となっており(図1)早急な資源の回復が求められています。
 このような状況を背景に、県では2016年10月に「宮崎海域アマダイ類の資源回復計画」を策定、公表しました。この回復計画では、2016年度から2020年度までの5ヶ年間を第1期の計画期間と位置づけ、この期間は「現状の漁獲量を維持しながら資源量を回復基調とする」ことを目標として資源回復措置を実施することとしています。
 そして資源回復のため講じる措置として、延縄漁業のアマダイ漁獲量の上限を設定し、さらに自主的管理としての休漁期間の設定や漁具制限と資源の積極的培養措置としての種苗放流などを掲げています。
 今回は、2016年度の資源評価委員会のアマダイ資源評価をもとに近年の資源の状況と日向灘で漁獲されたアカアマダイを親魚とする人工種苗の標識放流・追跡調査結果について紹介します。
図1 宮崎県のアマダイ類漁獲量の推移
FISHERIES EXPERIMENT