得られたデータにより考えられた漁獲割合上位5魚種の効率的な漁獲方法は表1のとおりとなりました。また、夏季〜冬季における3〜5回程度の漁獲のみでは、大きな植生の改善にはつながりませんでした。
表1 漁獲の効率化につながる知見
図3 受信機設置場所と放流場所
行動生態調査
植食性魚類のうち、アイゴについて、影響が強いと推定される門川湾にて、アイゴの移動経路や蝟集場所の把握のため、地先の定置網により漁獲後、蓄養していたアイゴ18尾(平均全長29.1cm,24〜38cm)に対し、平成28年1月20日にコード化ピンガー(超音波発信器)を装着し、受信機を8台設置した海域に放流し(図3)、同年3月3日に受信機を回収し、受信データを解析した結果、いずれの個体も複数の受信機で受信がありました。
期間中実験海域内に留まった個体(図4)が12尾、外へ移動したと判断された個体が6尾(1〜29日間留まった)でした。
放流地点付近に設置した受信機3台のみで受信した個体が17尾、放流地点の沖側の受信機でも受信した個体が1尾であり、湾奥に移動したデータが得られた個体はありませんでした。
図4 最多受信パターンと移動経路の例(太線表示は長期間受信)
期間を通しては、類似した受信パターンから一定のグループ化はできるものの(図5)、個体毎に細かく時間を区切って受信パターンを見ると、行動を一にする複数個体はみられず、各個体の行動は様々であると考えられました(図6)。
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No.684 2016.10.1発行
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