水産試験場

流通拠点漁港における衛生管理の取組改善

漁業者が漁獲物を水揚げする漁港にも、表1のような衛生管理基準が設定され、目標を達成するための取組が行われています。
レベル 定義 考え方
1 食中毒菌の混入防止のため、危害要因となり得る全ての項目で必要最低限の措置が行われている漁港 @「岸壁での陸揚げ作業」「荷さばき所でのせり・荷さばき作業」の行程を通じた危害要因特定
A危害要因をなくすためのハード、ソフト対策
例:排水溝の設置、遮光シート設置等
2 各種対策により食中毒菌の混入がないことが確認されているとともに効果の持続化が図られている漁港 レベル1に加えて
@各種基準を満たすためのハード、ソフト対策
A取組の持続性を確保するための定期的な調査・点検
例:洗浄海水利用、屋根等設置、鳥獣進入防止
3 衛生管理に対する総合的管理体制が確立されている漁港 レベル1、2に加えて
@記録の維持管理
A要請に応じた情報提供が可能となる体制
例:水質検査、記録の整理

表1 流通拠点漁港の衛生管理基準

食品表示について

商品には必ずといっていいほど表示ラベルがついています。この表示ラベルには、商品に関する情報が記載されています。表示の方法はたくさんの法律によって規定されています。その規定が細かすぎることから、消費者にわかりにくいという不便さがありました。そこで、これまでの食品衛生法、JAS法、健康増進法などの法律をまとめた食品表示法が平成27年4月に施行されました(図2)。

食品表示法

食品衛生法・JAS法・計量法・健康増進法・薬事法・景品表示法など様々な法律によって規制されている
平成27年4月1日より消費者基本法の基本理念を踏まえて、表示義務付けの目的を統一・拡大
食品衛生法 JAS法 健康増進法
・飲食に起因する衛生上の危害発生を防止する
・対象は容器包装に入れられた加工食品
・農林物資の品質の改善
・品質に関する適正な表示により消費者の選択に資する
対象は生鮮食品、加工食品
・国民の健康維持と現代病予防を目的として制定

図2 食品表示法について

食品表示について

水産加工品については、大きくわけて生鮮食品(鮮魚)と加工食品に分けられます(図3-4)。
生鮮食品(鮮魚)
・ラウンド セミドレス ドレス フィレ 切り身
・刺身(盛り合わせたものを除く)
・むき身 ミンチ
・単に冷凍解凍したもの
・生きたもの
単品の魚またはそれらを切断しただけのもの

図3 生鮮食品の定義

加工食品
・加熱したもの
・ミンチに塩などを加えたもの
・複数の種類の魚を混合したもの
・塩蔵加工したもの
・日干しなどの乾燥を行ったもの
製造または加工された飲食料品で、容器包装されたもののこと
・かつおのたたき・ゆでたこ → 加熱
・刺身の盛り合わせ → 複数の魚を混合
・単品の刺身にツマや大葉を添えてパックしたもの
・ミンチに塩を添加したもの
etc…

図4 加工食品の定義

FISHERIES EXPERIMENT