生鮮食品と加工食品の表示
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生鮮食品と加工食品の表示例を挙げます(図5-6)。
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図5 生鮮食品の表示 |
図6 加工食品の表示 |
食品には消費期限と賞味期限があります。保存期間が短く、期限を過ぎると食べない方がよいとされる食品は消費期限とし、保存期間が長く、おいしさを保証できる期間を賞味期限としています。商品に関して責任を持つ者(大抵は製造者)が期限を設定します。細菌検査や官能検査等を行い期限を決定します。その際、実際の期限に0.7〜0.8をかけた日数としています。例えば、10日間保存して食べることができた干物は7〜8日の賞味期限となります。
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加工食品の表示@
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原料原産地表示が必要な水産加工品は乾燥品、塩蔵魚介類、調味した魚介類および海藻類、ゆで、または蒸した魚介類及び海藻類、表面をあぶった魚介類、フライ種として衣をつけた魚介類です。 |
加工食品の表示A
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アレルギーを引き起こすことが多い品目は、原材料の一部であっても必ず表示しなければなりません。義務づけられている品目は、卵、乳、小麦、エビ、かに、そば、落花生です。その他にもアワビ、イカ、イクラ、ゼラチン等は表示が推奨されている品目です。魚の主要なアレルゲン(アレルギー原因物質)は、パルプアルブミンというタンパク質です。そのほかにもサバ類はヒスチジン、えび・かににはトロポミンといったタンパク質がアレルゲンとなっています。 |
その他の表示
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栄養成分や熱量(カロリー)の表示方法や、特色のある原材料表示についても表示することができます。パッケージは、消費者へ商品の情報をアピールできる絶好の箇所です。商品が見えなければイメージ図を載せたりもできます。 |
安心・安全な商品を提供するために
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地場産品を取り扱う直販所や道の駅等は、消費者と生産者の交流が生まれる場でもあります。生産者にとっては、商品を直接売り場に並べますので、商品が売れればやる気も出てきます。また、仲買が入りませんので、販売価格が自分たちの収入にもなります。浜値は安いのにスーパーでは高く売られているといった不満も出てきません。一方で、魚の取扱いによって、品質にばらつきがあると、品質の良い商品の方が人気が出てきます。「○○さんの魚」というように、名前で物が売れたりもします。こういった各人の努力が値段となって返ってくるというのも直販所ならではだと思います。
衛生管理を行って、品質の良いものを、消費者にわかりやすい情報を付けて販売することはとても大事です。食中毒等の事故が起こると、その信頼を回復するのには、とても時間がかかります。せっかく名前が売れてきたのに・・・といったことがないよう、関係者が協力して消費者へ安全・安心な商品を自信を持って販売して欲しいと思います。
なお、今回の内容をもう少し詳しくした資料が水産試験場のホームページにありますので、ぜひご利用ください。 |