年頭のごあいさつ
宮崎県漁船保険組合 組合長理事 松浦 和繁
松浦 和繁

年頭のご挨拶

様あけましておめでとうございます。
本組合の業務に関しましては過ぎ去りました1年を顧りみますと昨年も色々なことがありました。
まず、昨年は3年毎に行います漁船保険料率改正の年になっておりましたので、前年度末に総代会を開催してこれを議決し農林水産大臣の認可を受け4月1日から新料率を適用いたしました。
この改正にあたりまして、所定の方式に基づき本組合の普通損害保険(船体保険)の危険率を算出いたしましたところ、算定期間である過去20年間(平成4年度から23年度、今までは過去10年間の危険率で算出していましたが、今回は10年間の間に平成23年3月11日に発生した東日本大震災分の支払、542億円が料率改正の基礎データーに含まれ、トン数階層によっては料率が倍近くになる階層も出てきましたのでこれを平準化し、保険料率が跳ね上がらないようにするため、算出期間を20年間としました。)の本組合の保険金支払率、ロスレシオ(支払保険金/徴収保険料=102億4,000万円/85億8,000万円)は119パーセントと超過支払保険金は16億6,000万円に達していますが、本県の厳しい漁業情勢に対処するため水産庁とも協議し、今後共漁船の事故防止に努めることを条件に普通損害保険の基準保険料率については今回も上乗せをせず従来どおり全国最低基準である再保険料率(平成23年度設定料率より4.11%引き上げ)と同率としたほか、付加保険料率についても前回同様据え置くこととし、組合員負担の過重を避け漁業経営の安定を図ることといたしました。
更に、船主責任保険の基本損害についても全ての階層で据え置き組合員に有利になるよう改正しました。
また、漁船保険業界に於いては東日本大震災を教訓として将来に向け安定した保険サービスを提供する為、平成29年度に全国45の漁船保険組合と漁船保険中央会を統合した漁船保険の一元化組織の創設を目指しており、中央会に於いては新組織の実現に向け、専門委員会において検討いたしております。
よって平成26年度に於いては、これ等一元化の行方を注視しつゝ引き続き「稼働動力漁船の全船加入、漁船事故防止の徹底した対策と保険金の早期支払い」を最重点施策としまして業務を推進いたしました。
また、漁船の高船齢化(引受隻数の80%が船齢20年以上)が進んでおり、事故防止対策事業として、本組合が費用負担し、修理業者による漁船機関並びに電気設備整備点検事業を実施すると共に、3年間無事故継続加入漁船に対し本年度からは交付規程を改正し無事戻金の増額を行い、無事戻金597隻、873万円を交付し更なる無事故奨励を進めてまいりました。
この結果平成26年度の引受実績は2,170隻、215億円と前年実績に比べ隻数に於いて90隻(3.9%)、引受金額に於いては14億円(6.1%)それぞれ減少いたしております。
また、船主責任保険の基本損害の引受につきましても、高額付保につき力を尽くしました結果、1隻当りの平均付保金額は4億7,900万円と所期の目的を達成することができました。
一方漁船事故は4つの台風の内2つが上陸、2つは日向灘を通過しましたが、台風による被害は合わせて約50隻、1,400万円程度でありました。しかしながら、依然といたしまして自動操舵装置などの航海計器類に頼り過ぎ見張りを怠り衝突、座礁する運航上の不注意による事故の他、高船齢化に伴う火災事故等乗組員の人命にも拘りかねない危険な事故も発生していますところから、今後共この種事故の再発防止と操業の安全につきまして指導してまいりたいと存じますので、皆様方の絶大なるご指導ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
以上、平成26年度の業務執行の状況につきまして、申し述べましたが、次に新年度に実施いたします主なる事項につきまして簡単にご説明申し上げます。
まず漁船保険組織の一元化等重大な局面を迎えていますので、これ等の動向をも注視しつゝ遺憾のないよう今後の事業運営に努めてまいりたいと存じます。
よって、新年度も前年同様「稼働動力漁船の全船加入と船主責任保険の危険率に応じた高額付保、漁船事故防止の徹底した対策、乗船中の救命胴衣の着用の励行と保険金の早期支払い」を最重点施策といたしまして業務の推進に努め漁船事故による損害の復旧と船主等の諸種の負担を軽減して漁業経営の安定に資するという本組合の使命達成のため全力を尽す所存でございますので、何卒皆様方のご協力を賜りますようお願い申し上げます。
年頭にあたりまして、皆様のご健康と操業の安全並びに豊漁をお祈り申し上げご挨拶といたします。
GREETING