関係機関

(5)「カンパチ早期育成技術開発(H28〜30、増養殖部)」

 本県養殖業において重要な位置を占めるカンパチ養殖の収益性の改善を目的に、これまで用いられてきた外国産天然種苗より安価な国内産人工種苗を用い、飼料添加物を活用することで天然種苗より長くなるとされる養殖期間の短縮のための成長促進や良好な体格形成につなげる飼育試験を実施しています。平成29年度は夏季に約5g、冬季に約340gの小型魚に対して数種の飼料添加物を用いた約3か月の飼育試験を行い、そのうち、EP飼料へ一定量のタウリンを添加することにより成長促進や良好な体格形成効果がみられました。本年度は、これまでの試験成果を基に、養殖現場での飼育試験により現場実証を行いたいと考えています。

(6)「魚病指導総合センターの活動(増養殖部)」

 水産試験場では昭和55年に魚病指導総合センターを設置し、これまで魚病診断の他、養殖場巡回指導、ワクチン講習会など魚病対策指導を継続的に行っています。魚病診断件数は平成18年度頃までは180件程度で推移していましたが、25年度頃から徐々に増加し、近年は200件以上の診断を行っています。ワクチンの普及に伴い、一時期診断件数が減少傾向にあったものの、ワクチンの無い新興・再興感染症の増加や養殖魚種の多様化に伴い、診断件数は増加しています。
 また、近年、国において、国内防疫や海外からの輸入水産動物の防疫対策の強化に加え、世界的な薬剤耐性菌対策に取り組むため、水産用抗菌剤の使用に関する指導が強化されたことから、今後、これらへの対応も増加すると考えられ、センター機能強化や人材育成に取組みたいと考えています。

 そのほか、内水面支場では、五ヶ瀬川水系アユ資源の持続的な利用を実現していくための資源量調査の精度向上や省力化策の研究などに取り組みます。水産試験場の役割は漁業に従事される皆様の疑問・要望を解決する技術開発と情報提供ですので、問題点や疑問点などがございましたら、遠慮なくご相談いただきますようお願いいたします。
3月の動き(県関係)
16日 宮崎県資源管理実践漁業者協議会(宮崎市)
22日 水産業・漁村振興協議会(宮崎市)
25日 県立高等水産研修所修業式(日南市)
26日 宮崎県資源管理協議会第2回総会(宮崎市)
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